映画『サニー/32』で魅せる北原里英の女優力
【芸能報道】 平成三十年一月十八日に東京・新宿にて、映画『サニー/32/日活』の完成披露イベントが行われた。主演の北原里英(辛未)をはじめ、門脇麦(壬申)、「凶悪(二〇一三)/同社」コンビのピエール瀧(丁未)とリリー・フランキー(癸卯)、白石和彌(甲寅)監督の計五名が作中の舞台を彷彿させる雪が舞い降る中、登場した。
三本目の主演となった里英は真っ赤な口紅に足元を合わせて、背中が大きく開いたワンピースだった。本作の台本を受け取った時、里英は「自分にできるのかな、というシーンが。」と白石監督のファンであったが驚きを隠せなかった。白石監督に対して「酷いシーン程、よく笑ってますよ。」と仕事の模様を説明。作中では二月の新潟の雪原に薄着の裸足で立たせた。「初めて寒くて泣きました。」と苦労を溢した。他にも舐められたり、殴られたりしている。
「花筐/HANAGATAMI(二〇一七)/新日本映画社」にも出演した麦は、本作の独自性を「こんなにも誰にも感情移入できない。」と言葉に表わした。
瀧は「前回よりも間抜けです。何故、こいつらが悪い事しているのか分からない儘。」とシーン毎に役割を考えて演じた。AKB卒業後、里英の初映画作品という事もあって、フランキーは「これ位、いかれている映画に出た方が良いと思います。」と主演を受諾した点を高く評価した。本来はスタントを使う様なシーンでも里英が奮闘した事にフランキーは「トムクルーズか、北原里英か。」と。瀧は「たまたま死ななかっただけ。」と過酷な現場であった旨を伝えた。
白石監督は里英を「真っ直ぐに受け入れて下さった。」と述べ、「北原さんには異世界に行って欲しかった。」と当初のイメージを話した。麦の起用については「一方で対峙する人としては、パワファイタの門脇さんに。」と個性強い出演者のバランスを考えた。また終盤には3Dプリンタで制作したサニー人形と檻が登場し、里英が縄をきつく締めて瀧が人形を檻に入れた。
本作は完全オリジナル作品だが、十六年の小学生が同級生を殺した長崎・佐世保の「佐世保小六女児同級生殺害(NEVADA)事件」から一部、着想を得ている。尚、二年前に里英が本作のスーパーバイザである秋元康(戊戌)に映画出演を直談判し、公開に至った。
記事:荒田雅×撮影:金剛正臣