染織を学ぶ【旅】浜松・注染染め
浜松に引っ越した かわいい生徒さんがいて
その方を頼りに 静岡県 浜松の染織の旅をしてきました。
川崎から浜松に引っ越してからも 着物道に邁進しているKちゃんです。
まさに『着物好きは 着物好きを呼ぶ』
新しい出会いもあり 浜松特産の 『注染染め』 や 『遠州木綿』 にも
ご執心で応援団員。
今やすっかり 地元住人になりました。
そんな彼女に会いたくて、 またその特産物を見に出かけてきました。
新横浜から新幹線で約1時間あっという間に浜松駅に着きました。
まずは体験染めができる市内の注染工場へ。
<注染めとは>
生地に 型紙で防染糊をのせ、染料が混らないように 柄の外側に土手を作って染料をその中に注ぎ込むという手法です。 明治時代に 化学染料が使われるようになると始まり、浴衣や手拭い、のれんを染める方法で『注染ゆかた』、浜松では郷土工芸品として『浜松注染』と呼ばれています。 他に 大阪や東京でも一部行われています。
<工程>
1 地巻き 作業しやすいように 生地を丸く巻く
2 板場 (型紙で糊を置く)
生地を張り、約1Mの型紙で糊をおく、
その上に生地を重ねて 糊を置く。
糊を挟みながら蛇腹になるように重ねるを 着物2反分1匹分繰り返す。
その後、クズ粉(おが屑)をかけておく。
3 紺屋 (染料を乗せる工程)
柄の色毎に 土手を作って 染料が混じり合わないようにする。
4 注染 ヤカンのような道具で土手に染料を注ぎ入れる。 なんと二刀流です!
生地の下には真空ポンプがあり、スイッチを入れると
染料が土手の中から生地のなかに吸い込まれ、染料は生地に染み込んでいく。
5 水元 糊や染料を洗い流す。
6 高干 7Mの高さから吊るして、乾燥させる。
<注染染めの特徴>
なんと言っても 効率よくたくさん染められます。
単色はもちろん、多色もいっぺんに効率よく染めることができます。
また、ぼかしや色の交わりも表現でき、裏表に染料が渡ります。
さて、体験はというと・・・
板場と紺屋をやってみました。
板場では 糊を均等に乗せること、 生地を縦横ピンと歪みなく張ることが求められます。
Kちゃん、持ち前の器用さをはっきして 板場ではバッチリ! 糊おきも褒められていました。 初めての人はそうそうできないそうです。
私はというと 糊は不均等、生地は歪むであらら〜。 手直しされて、なんとか紺屋へ。
紺屋では まず土手作り。 色毎に柄の外側に土手を作ります。筒に入った材料を絞り出しながら作業します。 染料が漏れ出さないように隙間を作らないのがコツです。
染料をやかんを使って 土手の中に染料を注ぐ。 左右の手で 2つのやかんを使い注ぎますが、これまた難しい。特に普通の人は利き手でない方は言うことを聞いてくれませんから 職人はすごいですね!
単色、グラデーション、ぼかしなどさせてもらいました。 当然指導の元です。
混じり合ったときのイメージをつけていないと 綺麗な色が出なかったりします。
Kちゃんと力を合わせて 外枠を染めるところ、 ウクライナカラーです。
染料にはいくつか種類があり、同じ色名でも 色の具合が違ったりするので 職人はそれも計算して 染料を選び 配色するそうです。
また、板場と紺屋&注染にはそれぞれに専門の職人がいます。 真剣に作業しており、話しかけることはできませんよー。
水元は 今は機械でやっていますが、昔は川でしていたと言うことです。どこの染めの産地はそうですが、川のそばというのは お決まりですね。
高干は ベランダ・・・と言っても7Mもある高いところから生地を吊るして 干します。 浜松は特有の『遠州風』と言う強風があるそうで、すぐに乾きます。 産地には 産地になるべくする地の利がありますね。
高干しから作品を吊るしてパチリ。大人の事情で背景を映すことはできません、ご了承を。
途中、型紙や糊の材料のこと、染料のこと、色々お聞きしました。
本の中でしか見られなかった工程が目の前に、さらに自分で作業して大興奮の体験でした。
体験でできた手拭いの柄には
静岡の名産や観光地がたくさん!
茶畑と茶摘み娘、お茶。浜名湖やうなぎ。
三ヶ日みかんは絶品です。
こだわりの色表現も見てください。
最後に 浜松名物?! 毛の生えたうなぎ・・・・手仕事の味です!
体験先は 『二橋染工場』さん
問い合わせ・ご予約は 『浜松・浜名湖ちょい旅ガイド』 で!!