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あなたの大学の都市伝説

拭い去れない劣等感

2018.01.18 13:36

いつも横目で見ている。

すれ違う誰とも知らぬ笑顔の彼ら彼女らの姿を。

その度に私の心はドキドキした。

そして私が見ていたことを悟られないように、

私の視線に気づかれてしまう前に、

すっと前に目を向ける。

如何にも「あなたの存在になど気にも留めていないのだから」

といった表情を作りながら。

しかし本当にそういう状態なのは、

私が横目で見ていた彼ら彼女らに他ならなくて、

気にも留めていない人はそんな不自然な表情を作ったりしない。

自分が生きている瞬間に夢中になって笑っているだけだ。

私が横を通ったことにもきっと気づいていない。

「何かに夢中になって生きている人がうらやましい。」

素敵に見える人とすれ違う度にそんなことを思っている。

何に対してすべてを注ぎ込んでいいかもわからない私は、

会ったこともない彼ら彼女らを近くするだけでドキドキする。

小動物がライオンにでも会ったかのように。

「彼ら彼女らにだって私は負けてないんだから」と自分に言い聞かせることはできても、

体に起こる正直な反応をコントロールすることまではできない。

強がっても、私が劣等感を抱いた事実を私は自覚してしまう。

比べることなどないと頭ではわかっているのに、

うらやんだところでしょうがなく、

自分に集中することでしか自分の問題を解決できないこともわかっているのに、

心底それを認めることはできていないみたいだ。

だから私はいつも苦しい。

私の生きる一筋の道を見出したい。

いや、見出せなくてもいい。

この方向に進んでいく、というゆるぎなさが欲しい。

そうしたらすれ違った彼ら彼女らのように私は笑えるようになるのかもしれない。


ゆたか