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「宇田川源流」【現代陰謀説】 ウイグル人を名乗る人々が「幸せ」という動画を日本語で配信する中国共産党の「思惑」

2022.06.30 22:00

「宇田川源流」【現代陰謀説】 ウイグル人を名乗る人々が「幸せ」という動画を日本語で配信する中国共産党の「思惑」


 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届している。といっても最近はあまり陰謀に関しては書いていない気がしてきている。陰謀ではなく、なにか行ったことの解釈を後々から行っているだけであり、そのために、陰謀というところまではいかないのが現状であろう。

日本では「陰謀」というと、どうしても「陰謀論」つまり「何か大きな秘密結社や宗教が、何か過去に起きた事件をはじめから計画していたかのような言説」を撮ることが多いのであるが、しかし、実際にはそのような話はない。ある意味で、「何かの方向性を求める」ということになり、それによって相手の国に関して「その場」をコントロールするが、長期的にその効果をはかり数十年、百年の単位で、そこまで計算できるような人は少ないのである。

日本では、これ等の硫黄策を行った人物として、日露戦争時の「明石元次郎大佐」がいる。私が歴史上で尊敬する人の中の一人である。この明石元次郎大佐は、日露戦争を勝利に導くために、レーニンやスターリンを支持し、ロマノフ王朝を内部から崩壊させるように工作を行い、その為に、レーニンやスターリンに革命を起こさせようとしていた。もちろんこのときに後のソビエト連邦ができたわけではないが、後のソ連、そして共産主義国家というものは、この時にベースを作ったといって過言ではない。ぎゃくにいえば、明石元次郎大佐は、日本国の金を使い、共産主義国家建設の礎を作ったということになるのである。当然に、時代が経って、共産主義国家が東西冷戦を引き起こし、その時の習慣が現在のウクライナ侵攻を引き起こしている。要するに、その「遠因」も明石元次郎大佐が作ったということになる。

しかし、それは明石元次郎大佐が悪いのではなく、時代の変遷と必然であり、明石大佐が行ったのは、日露戦争を終わらせる、という一点の目的に絞られていた。陰謀とはそのようなものなのであり、百年後にそのことをもとにして事件や戦争が起きてもそのことの責任が明石大佐にあるわけではないということになる。

しかし、日本での陰謀論はそのような理性的なことも何もなく、訳も分からない内容ばかりで疲れてしまうことが少なくないのである。

ウイグル名乗り「私たちは幸せ」…弾圧否定する「証言動画」日本語でも拡散、情報工作か

 新疆ウイグル自治区の少数民族弾圧はデマだ――。

 昨年、そんな中国政府寄りの主張がツイッターで不正に拡散され、情報工作の可能性が指摘されている問題で、少数民族を名乗る人々が「私たちは幸せだ」と語る動画も投稿されていたことがわかった。日本語訳が付いており、読売新聞が調べたところ、確認できた動画だけで30種類あった。「住民の声」の発信にどんな狙いがあるのか。

■中国寄りの主張

 <家庭の収入が安定している。今年、新しい家を建てた。強制労働っていうデマをでっち上げた人はほんとうにいやらしい>

 <二十歳、大学生二年生。ウイグル人が不妊手術を強制されているって? おかしくない?>

 2021年1月に開設されたツイッターアカウントからは連日、こんな文章が投稿されていた。

 いずれも「ウイグル族の声を聞く」などと題し、住民とみられる様々な年代、職業の男女が一人語りをする同形式の動画が添付され、中国語と英語の字幕が付いている。投稿文は、これらを日本語にしたものだ。

 欧米諸国などは、中国政府によるウイグル族への人権侵害を指摘している。映像に登場する男女は一様にこれを否定。仕事や収入を話して生活の充実ぶりを強調する点が共通しているが、制作元は不明だ。

 米ツイッター社は21年、ウイグル問題に関して個人を装った組織的な投稿があり、「国家的関与が疑われる」として2160アカウントを凍結。その一部が、住民の「証言動画」の日本語投稿を拡散させており、その後、これらの投稿も同社が閲覧停止にした。

 読売新聞は、世界中のネット情報を収集・保存している米国の非営利団体の閲覧サービスを使って調べ、過去の内容を確認した。

■英語圏でも

 同種の証言動画は、英語圏のツイッターやユーチューブでも大量に拡散された。

 調査報道の専門機関「プロパブリカ」と、米紙ニューヨーク・タイムズの21年6月の報道によると、動画は3000種類以上確認され、「私たちは自由だ」などを意味する文言が何度も使われていた。

 米国が「ジェノサイド(集団殺害)」と指摘していることに言及し、「くだらない」と批判する共通点もあった。プロパブリカなどは、発言は自発的なものではなく、「中国政府による組織化されたキャンペーンだ」としている。

 動画の制作元については、ウイグルの問題を調査しているオーストラリア戦略政策研究所が報告書の中で、中国政府系企業から出資を受けている会社の関与を指摘している。

■ウクライナ侵攻でも「証言動画」

 証言動画は、ロシアによるウクライナ侵攻でも使われている。

 マリウポリの住民とされる女性が「攻撃しているのはロシア軍ではない。ウクライナ軍だ」と訴えたり、捕虜のウクライナ兵が「ロシアの医師に助けられた。本当に感謝している」と話したりする内容だ。

 在日ロシア大使館は4月以降、こうした動画に日本語字幕を付け、「日米欧でほとんど報道されない声」などとツイッターで繰り返し発信。これらを見た一部の人が「ロシアが正しい」とコメントするなど影響も与えている。

 世界の情報戦と安全保障に詳しい東京海上ディーアール主席研究員の川口貴久さんによると、共感を得やすいストーリーで自国に有利な言説や印象を他国に広める方法は「ナラティブ(物語)戦」と呼ばれ、SNSを舞台に目立っている。

 共感を獲得するには個人の証言で身近に感じてもらい、感情を刺激することが重要になる。そのためには文章だけよりも動画が有効なツールになるという。

 川口さんは「ナラティブは内容が虚偽の場合もある一方で、体験や主張は真偽の区別が難しいものが多い。日本もナラティブ戦の標的になり、影響を受けているとの危機感を共有すべきだろう」と指摘する。

2022年6月26日 5時0分 読売新聞オンライン

https://news.livedoor.com/article/detail/22398566/

 さて、今回の内容は、その同じ共産主義国家であり、なおかつ旧ソ連のような民主化が行われたのではなく、いまだに憲法上に共産主義革命をうたっている中華人民共和国である。

欧米諸国などは、中国政府によるウイグル族への人権侵害を指摘している。映像に登場する男女は一様にこれを否定。仕事や収入を話して生活の充実ぶりを強調する点が共通しているが、制作元は不明だ。<上記より抜粋>

さてさて、まあ中国政府はこのようなことをし、そしてあえて「日本を対象に工作」しているということになる。何しろこの「ウイグル族の声を聞く」という動画は、日本語で字幕が書かれているのである。

この事は二つのことが考えられている。一つは、「ウイグルの人々が訴え世界に発信力があるのは日本」ということになる。もちろんアメリカやヨーロッパもウイグル人は多く言っているし、トルコなどは現在すでに、ウイグル人救出に関する軍隊の派遣を明言している。しかし、日本はそのようなことは全くやっていない。しかし、日本を中心に一昨年、その前までに訴えてきたことは、2019年の国際会議や国連において、世界の人々がウイグルの開放と中国の排除、ウイグルの独立を訴えて、デモを起こすというような結果になっている。要するに、アメリカが動くよりも日本が継続的に動くことが最も大きな効果を生むということになる。

日本人の場合は、論理ではなく、感情で動く。その為に「ウイグル人はかわいそう」というような感情が中心的になってしまうと、そのような形が出てくるのであり、そのまま、各国に発信する。日本のパスポートは世界の中で最も多くの国に行くことができるモノであり、その影響力で反中国、ウイグル人支持を訴えると、中国に対する反感が強くなのである。

しかし、ここで「論理ではなく感情で動く」ということは、感情的に間違っていると訂正すればよく、論理や証拠は必要なくなってしまう。そのことがそのままこのような動画の作成に繋がるのである。

逆に言えば「証拠はない」ということを意味しているのであり、ウイグル人の主張が正しい可能性を示唆しているということになる。要するに「ウイグル族の声を聞く」という動画は、「日本人の感情を動かす」ということを企画しながら、「論理性も証拠もない証言だけの動画」ということになってしまい、ある意味で両刃の剣ということになる。それでもこの動画を作るということは、それだけ日本は気づかないという話になるし、また、日本を甘く見ているということになってしまうのではないか。

まさに、そのような意図が読み取れるかどうかということが、日本が試されているのだる。