リケーブルについて
こんにちは。
リケーブルについては以前「リケーブルによる変化を測定してみた」で一度触れていますが、何やらもめることが多いので改めて書いてみたいと思います。
リケーブルについてのわたしの見解
前回の記事でも書いた通り、リケーブルによる変化は否定できないものの、人間が感知できるかは明言のしようがないです。
わたしはどうしようもなく気になる部分がある製品で、リケーブルに対応している場合に「改善しないかな?」程度で試す消極的リケーブル派です。
また、良くも悪くも生じるのは変化であって必ずしも良化とは限りません。
このあたりについては前回の記事をご参照ください。
ケーブルが変化をもたらす要素について
これについては様々な議論が起きますが、多くの方は「線の材料」について語っていることが多い印象です。
例えばNがよく出てきますね。(5Nとか6Nとか)
これは素材の純度を示したものでNはNine(=9)の略、つまり5N=99.999%という意味です。これは例えば銅ならば「銅が99.999%以上で不純物が0.001%未満」という意味になります。
基本的にはNが高いほど原価は高価になります。(特殊処理云々は除く)
オーディオ界隈ではどうにもN値が高い=音がよいという意見やアピールが多いように思います。
が、わたしはNについては4とか5あれば十分と考えています。それ以降の変化は感じ取れないと思っています。(少なくとも自分の耳は)
もちろんだからって虚偽の記載をしていいことにはなりませんよ。当たり前ですが。
でも、線材にばかり目を向ける必要はないというお話です。
ではケーブルの何が音を変えるのか
それは主に「構造」だと思っています。
具体的に言うと芯数とか、線の組み方(平行線、編組、らせん組、etc...)とか、メッキとかシールドとかです。
これらの要素のほうが主たる素材の純度よりも「はるかに」影響が大きいと思います。
電流が流れると磁界が生まれ、逆に磁界が作用すると電流に影響をもたらすのは、皆さん周知のとおりだと思います。
あと、深くは掘り下げませんが、表皮効果なども耳にしたことがある方もいるでしょう。
そう、ケーブルは素材ももちろんですが、様々な物理的作用が関わってくるわけです。
実験として持っているスマホを音楽を流していないイヤホンのケーブルに近づけて通信してみましょう。するとあら不思議、ノイズがイヤホンから聞こえてきます。(機種によります)
つまり、線材の純度を変えることで内的要因を改善しても、「音として聞こえるほど」ケーブルというのは外的要因に影響を受けるわけです。
例えば単純な並行2線の場合、磁場の影響で起電されるとノイズとしてそのまま流れてしまいます。
しかし、ツイストペアにするとノイズ電流が互いに打ち消しあうように作用するため、ノイズの影響が出にくくなります。
さらにシールドするとそもそもケーブルにノイズが届きにくくなります。
理論上はツイストペアをシールドすれば対外ノイズ対策はベストといえますが、必ずしも実際に聴いた感想と一致しないのが面白いところです。
シールドすると外来ノイズに強くなる一方で、逆に言うと内部ノイズを放出できないとも取れますしね。
いずれにせよ「構造」というものは無視できない影響力を持っています。
まとめ
もしあなたがN値が大きくなることに腐心しているなら、今一度「構造」に目を向けてはいかがでしょうか。ケーブルについての見方が変わってくるかもしれません。
また、ケーブルごときで何も変わらないという方も、抵抗値などの数値ばかり追わずほかにも目を向けてみましょう。データに盲目になってはいませんか?常に同じような外的要因の条件下で測定しても誤差の範囲で片づけられる結果しか得られません。そうすると「ケーブルで音が変わるのはウソ」というセリフを実証データにもならないしょうもないデータで語ってしまっているかもしれませんよ。
ただし、強調しておきたいのが「必ず良くなる」ケーブルはないということです。正解などありません。
安易な宣伝文句には騙されないようにしたいですね。
では、今回はここまで。(・ω・)ノシ