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森蘭丸の生涯

主従を超えた関係1 信長からの寵愛

2022.06.30 12:16

信長は、自分には三つの宝があると自賛した。

一つめは、奥州から献じた白斑の鷹。世にも希な逸物である。

二つ目は、青の馬。どんな砂浜や石ころの上を駆けても、つまずく事がない。

三つめは、御小姓の森乱丸。これは忠功世に知るところである。

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信長は家臣たちに鍔(つば)に菊をあしらった刀を見せ、その菊の数を当てた者に刀を与えると言った。

皆が答える中、乱丸だけは黙ったままであった。

信長がその理由を尋ねると、信長が用を足す間、刀を持って待っている時に、数を数えて知っているからだと言った。

その正直さに感心した信長は、その刀を乱丸に与えた。