土壌汚染対策費に都税が使われたという主張は誤り?→ 誤りではない

2018.01.20 15:00

2018.1.19 small bear @Pooh_advanced さんのツイートより


土壌汚染対策費に都税が使われたという主張は誤り?

→ 誤りではない

〜効率良く、財布を変えて費やされた蓄え〜



以前、


『土壌汚染対策費に都税が使われたと私が書いたのは、誤りではないか』


という問題提起がなされました。


『それは、誤りではない』


と、とりあえず私は結論しました



以下の資料を参考にしました。


地方公営企業法

地方財政法

東京都中央卸売市場条例

東京都中央卸売市場処務規程

総務省通達

総務省の研究会資料

中央卸売市場HP

市場の在り方戦略本部資料

市場問題プロジェクトチーム報告書



これらを確認した上で

『土壌汚染対策費に都税が使われたというのは誤りではないか』

という問題提起に対して、私の認識を示します。




① 問題の範囲の確認


結局、市場会計と一般会計は、

どちらも都、つまり都民の財産を運用するという一点において同じで、

結局、都議会での予算承認プロセスは同じと私は結論しました。


実際に都議会で無害化の議論をし、無害化したから安全という確認を都議らがしていますから、

これは事実と整合しており、この認識でよいかなと思います。


つまり、土壌汚染対策費に都税が使われたとしようが、

市場会計から使われたとしようが、私の従来の主張に変更は生じないと判断しました。



ですから元の問題提起は、

純粋に言い方、用語の問題であり、

私の主張の変更を伴うものではないと認識しました。




② 市場会計≠都税は正しいか。


正しくはありません。


公営企業法や都の規定を見る限り、

市場会計と一般会計は、独立採算制とはいうものの、

税金を繰り込むことが法制度上、許されています。



総務省の通達でも、業者の指導、施設改良費に

一般会計、つまり税金の投入はそれぞれ営業費用の30%、

企業債の50%を上限とすると指導がでています。



要するに、両者は完全に分断されてるわけでもなく、

市場会計に都税を投入することは制度上、ありとなっています。

総務省等の見解でもそうですし、都の法令上もそれを妨げません。

現に、市場会計と一般会計で金銭の付け替えが行われた事実もあるようです。



また市場会計の項目に、一般会計出資金という項目(ただし現在ゼロ円)も残っています。


つまり、市場会計だから、独立採算性だから、

無条件に都税ではありません。という説明は、

実は、正確な説明ではないということです。




③ 豊洲事業費には都税が含まれないのか

含まれます。


というか、建設資金のメインは都税ということもできます。


市場会計に都税がないというのなら、

手持ちのキャッシュは、施設使用料等を累積したものだけということになります。

それは間違いです。



市場の在り方戦略本部のまとめにより、


『市場跡地の売却収入が市場の建設資金となっている』


のが、東京中央卸売市場の実態です。

その最大のものは、『神田市場跡地売却収入』の3700億円です。


この3700億円は、都税です。(驚愕)



この『売却』は、


市場会計が直接民間に売却して得たものではありません。


『3700億円で民間に売れたと仮定して、

3700億円の都税を市場会計に投入する』


という作業を都の内部で行ったにすぎません。



その後、この神田市場跡地の6割が民間に売却されましたが、

それは400億円でしかありません。


要するに、『売却』というイベントを利用して、

3700億円の都税が市場会計に投入されており、

それが主要財源となって、

市場の建設資金が賄われているのが実態ということです。



そして、これは、築地売却(予定価格4386億円)においても同じ理屈です。

『売却』とは、都税を4386億円、減らして、

市場会計を、4836億円、増やすということです。



また神田の事例を見る限り、

この、減った都税を補わねばならぬ義務は、都にありません。


この、過去に投入された都税3700億円と、

これから投入される4836億円が、

土壌改良費を含む、豊洲事業費5884億円に充てられるということです。



③の結論

市場会計から、建設費用に使われるキャッシュは、実は都税。




④ 中央卸売市場サイトの説明は間違っているのか。


確認します。



これらの経費は、

ⅰ 市場業者が東京都に納めている使用料を主な収入とする独立採算の中央卸売市場会計で賄われ、

ⅱ 不足分も築地市場跡地の売却収入で補てんされます。

ⅲ 一般会計からの補てんや補助は受けませんので、

ⅳ 皆さんが納めている税金が使われることはありません。



これを見るとき、

ⅰ~ⅲは、嘘ではありません。

ⅳだけが正確ではありません。

実態を知るなら、嘘といわれても仕方ありません。(苦笑)



確認します。


ⅰ 市場業者が東京都に納めている使用料を主な収入とする独立採算の中央卸売市場会計で賄われ、


確かにそうなのですが、

市場会計でも都税の繰り込みは普通にありで、禁止されていません。

また市場会計から建設に使われるキャッシュは、使用料の累積ではありません。

元は都税です。



ⅱ 不足分も築地市場跡地の売却収入で補てんされます。


これもⅰと同様です。

これ自体は嘘ではないのですが、

築地売却とは、都税を市場会計に投入することだと説明していないだけです。

この金も、要するに都税です。



ⅲ 一般会計からの補てんや補助は受けませんので、


これも嘘ではありません。(苦笑)

売却というイベントを使って都税を投入するので、

わざわざ一般会計から補てんするという会計的な行為はいらないのです。



ⅳ 皆さんが納めている税金が使われることはありません。


これは嘘です。(苦笑)

市場会計から建設に使われる金は、

税金と無関係な施設使用料がメインではなく、

神田、築地売却代金がメインです。

そしてそれは、都税です。


ある種のロンダリングといっていいですね。



である以上、


『土壌改良費860億は市場会計が使われる』

『土壌改良費860億は都税が使われる』


これは、どちらも正しいということになろうかと思います。

ですから、冒頭の認識になります。


そんなところでしょうか。





(誤 地方財産法 → 正 地方財政法 の訂正については、予め訂正の上転記させていただきました)