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Classic Music Diary

ANTONIO BAZZINI:Quartet 2,4,5

2022.07.02 10:32

Quartetto Bazzini  (Tactus)  96Khz/24bit

イタリア出身のバッジーニはクラシックの音楽が古典派と呼ばれる時代からより自由に感情を発露させるロマン派へと移行していく時代に、1818年から1897年までの生涯を送る。パガニーニに認められプレイヤーになる様に強く勧められ、また同時代人であるメンデルスゾーン、シューマンからも高い評価を受けていた19世紀を代表するヴァイオリニストであり、プッチーニに影響を与えた教師・作曲家でもあった。

今では代表作になっている『妖精の踊り』はハイフェッツを始めとしたレジェンド達も取り上げる超絶技巧が散りばめられているアンコールピースの人気曲目。

ヨーロッパ中を移り住んで演奏家として名を成した後は、イタリアに戻り作曲と教師に専念してオペラなど多くの作品を書いてそれらも高く評価されていたが、どういう訳か忘れられてはいないけれども一部を除いて録音も多くない。

作品の評価が高い割にはあまり目立たないのは、ヴァイオリニストとしての名声が高すぎて割りを食っているのではないかとも言われている。

このアルバムでは六曲の弦楽四重奏のうちの三つを収録してある。基本的にドイツの伝統的な作曲方式を崩していないのだが、北ヨーロッパの同時代の偉大な作曲家達のとても濃いロマン派的な音楽とひと味違っているのはそこにイタリア的なフレーバーを多分に入れているからなのだろう。ヴィバルディみたいな部分が出てきたりする。ドイツの音楽を積極的にイタリアに紹介すると共にイタリア独特の音楽の発展に力を注いだバッジーニらしいとも言えて、これらの弦楽四重奏曲はその時代にとても人気があったというのも頷ける魅力的な作品だと思う。

2022-877