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地域づくりファシリテーション研究所

第36話 研究を通じたファシリテーション その1

2022.07.02 23:30

新たな仕事に就くため、2022年3月に僕は能登を離れました。

能登で過ごした約5年間は、悩みながら学ぶ貴重な日々でした。

多くの人にお世話になりました。

この場を借りてお礼申し上げます。


悩みながら学ぶ。

私にとって能登での挑戦。

一言で表すなら次のようになります。


「研究者として、どのように地域づくりに貢献できるか?」


5年かかっても、はっきりとした答えは出ませんでした。

でも、もがきながら色々取り組むなかで、糸口は見えた気がします。

その一つを共有したいと思います。


能登に移る前の2015年から僕が新たに関心を持ったこと。

それが、「ゲームを通じた学び」でした。

前職だった京都の研究所では、同僚たちと集まってプレイしたり。

研究所の一般公開イベントの出し物として独自のゲームを作ったり。

そんな活動を始めたのでした。

傍から見れば遊んでいるようにしか見えなかったことでしょう。

でも、これも立派な研究!

そして、それこそがまさに大切なことです。

そう、「遊びながら(いつの間にか)学んでいる」ということ。


その研究所では、他にもゲーム研究が盛んになっていました。

2018年3月に開催された研究会では、ゲームでSDGsを学ぶ体験をできました。

既に能登に移っていた僕ですが、興味深々で駆け付けました。

このとき出会ったのが「2030 SDGs」というゲームです。

一般社団法人イマココラボが開発したカードゲーム。


ちょうどその頃から能登にSDGsがやってきます。

(SDGs=持続可能な開発目標)


能登半島最先端に位置する珠洲市が「SDGs未来都市」に申請。

内閣府から初代の未来都市の一つに選定されました。

このことは、僕の仕事に直接の影響を与えました。

SDGs未来都市の申請・選定は自治体主導でした。

研究機関から知恵も受けましたが、住民からのボトムアップではありません。

実際、2018年当時、珠洲市内でSDGsの認知度はかなり低かった印象です。

日本全体でもまだ広く知られているわけではありませでした。


そのようななかで、まずは地域住民がSDGsを理解するための方策。

それを考えるのが自分にとっての新たな課題となりました。

研究者として地域で何をできるのか?

こうして、僕の一つの挑戦が始まったのです。