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Classic Music Diary

2022 Sommernacht Konzert Schonbrunn

2022.07.03 06:24

Adrias Nelsons, Wiener Philharmoniker (SonyClassical) 96khz/24bit

ニューイヤーコンサートと並ぶウィーン・フィルの2大行事の一つであるサマーコンサート。曲目としては毎回同じようなワルツの演奏をするニューイヤーコンサートよりも多彩なため個人的にはより面白いと思っている。

今回の指揮者は2020年のニューイヤーコンサートでも指揮をしたラトビア出身アンドリア・ネルソンス。ネルソンスはピアノとトランペットを学び、指揮を同郷の故マリス・ヤンソンスに師事した。ニューイヤーコンサートでは休憩後の後半に自らトランペットを吹きながら登場し吹き振りをしたのをよく覚えている。

今年のテーマは『ヨーロッパの音楽遺産』がテーマだそうで、ベートーベンで始まりネルソンスの故郷ラトビアからマスカツを、ウクライナからミコラ・リセンコの作品が取り上げられているのが時宜にあったところだろう。作曲家の国別では、ドイツ、ウクライナ、ラトビア、フランス、イタリア、ルーマニア、チェコ、オーストリアとかなり広範。10曲中ウィーンフィル初録音が6曲もあってそういう伝統に縛られないところがこのコンサートのいいところだと思う。

毎回ゲストソリストが豪華なところも注目で、昨年はイゴール・レビット、一昨年はヨハネス・カウフマンと、今年はフランスのゴーティエ・カプソンが同じフランスのサンサーンスのチェロ協奏曲演奏で招待された。カプソンは北京の国家大劇院でシューマンの協奏曲を見たことがあるが非常に繊細な音色を奏でるのが特徴のチェリスト。

CDの発売は7月に入ってからだけれども、パッケージを作る必要のないデジタル版は7月1日にグローバル・リリースとなった。6月16日がコンサートだったので約2週間でマスタリングを済ませたことになる。ちなみにニューイヤーコンサートは1月1日の演奏だけれどもデジタルリリースは1月3日にやるという超早業。

ニューイヤーコンサートは時流に対応して既にDolbyAtmos,360RAが配信されているので、このサマーコンサートも3Dオーディオ版が作成されるだろう。それがどんな出来具合になってくるのかが楽しみである。

2022-856