タイドラマ「The Stranded / ロスト・イン・ウォーター 神秘の島」(2021)Netflix 超おすすめ!キャストとあらすじ
おすすめ度:★★★★★ あのLOSTを彷彿とさせるドラマ!
ある日、タイの小さな島を襲った大きな津波。その津波の被害で島に取り残されてしまった高校生たちが、サバイバル生活をしながら、日々遭遇する不思議な出来事の解明に乗り出すNetflixオリジナルシリーズのドラマ「The Stranded / ロスト・イン・ウォーター 神秘の島」(2021年)。本土からの助けを待つ中、次々と事故や病気で同級生が死んだり、深刻な仲間割れが起きたりと、結構シリアスな内容になっています。
"ビーム" パパンコーン・レクチャレアンポット(Papangkorn Lerkchaleampote)が演じる主人公クラームは舞台となっているタイの島の漁師の息子。第1話は島の高校の卒業式から始まり、育ての親(父親)がクラムの卒業を祝ってくれるシーンがあります。この高校は島の外からやってくる裕福な家庭の息子や娘たちが多い中、クラームは例外的に地元島民からの「特別枠」で、同級生にそのことをバカにされるシーンがあります。
島が突然の大津波に襲われて、そこから生き残った高校生たちのサバイバル生活が始まるのですが、なんとも2000年代に放送されたアメリカのドラマ「ロスト(LOST)」を思い出す内容です。ロストは2001年に起きた9.11米国同時多発テロ事件の後に制作されたドラマで、オーストラリアからアメリカへと向かい飛行機が南の島に墜落し、乗客たちのサバイバル生活が始まるというストーリー。放送当時、その意味深な内容からアメリカで社会現象にもなったドラマです。
とはいえ、「The Stranded / ロスト・イン・ウォーター 神秘の島」はロストとは違って、もともとクラームたちが高校生活を送っていたタイの島での出来事。島外への脱出は試みますが、ロストほど「事故前の場所に戻る」という感じではありません。突然の大津波がなぜ起きたのか、島にレスキューが来ないのはなぜか、スマホのシグナルが消えてしまったのはなぜか、などなど不可解な謎が多く残されており、途中から高校生たちに合流する先生の存在も不気味で、これぞ「神秘の島」といった感じ。
生存者のなかで唯一冷静かつ合理的に何が起きたのかを探っているのがリケジョのアリサで、「風と共に去りぬ」と書かれた映画のテープらしきものに、150年前のタイの詩を誰かが歌っているのを発見します。洪水が国をリセットする詩で、そこにヒントがあるのでしょうが、謎は簡単には解けていきません。いろいろ謎ですが、森で迷子になる場面や崖から落ちたあとのシーンは謎だらけ。
オーケストラで指揮者をしている優等生のアナンはいつも仲間のリーダーでいようとしますが、あまりリーダーシップは発揮されていないし、いつの間にか医者・看護師のような役回りになってしまったリンは見ていてかわいそうだし、唯一大人の生存者の先生は不気味だし…。少しずつクラスメイトがどんな人かもわかっていくのでおもしろいですが、とにかく不気味。
シーズン1の最終話で丘の上から別グループの若者たちに遭遇するシーンがあり、そこからシーズン2へと進んでいくのでしょうが、この島が一体なんなのか、続きが気になるところです。その一方で、なんとも悲しいニュースが。主役のクラムを演じているビームが、ドラマの公開からまもない2022年3月、バンコクの自宅で死亡しているのが見つかったとのこと。ご冥福をお祈りします。
というわけで、Netflixオリジナルシリーズ「The Stranded / ロスト・イン・ウォーター 神秘の島」、非常におすすめです!