つくばでテストコースを試走してきました ~CASE時代を見据え、産総研と住友理工が新たなテストコースを整備~
国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)と住友理工が共同で、産総研のテストコース(茨城県つくば市)に整備していた特殊路がこのたび完成しました。これを記念した式典が10月18日(月)に開かれ、私も出席しました。早速試走してきましたので、皆さんにもご報告します。
皆さんもご存知のとおり、産総研と当社は昨年10月、産総研のつくばセンター内に「住友理工-産総研 先進高分子デバイス連携研究室」を共同で設立。これは、両者が培ってきた先進技術や知見に加え、産総研の有する人的資源や研究開発施設を活用させていただくことにより、CASE(※)時代の荒波を乗り越え、新たな技術・製品の開発を加速させることを目的としたものです。具体的には、「A:自動運転」領域での貢献が期待できる各種センシングデバイスの開発や、これを利用して、既存の主力事業である防振ゴムや制遮音品・内装品など、乗り心地や操縦安定性の向上を図った新製品の開発・提案につなげていくことを目指しています。
※「C:Connected(つながる)」「A:Autonomous(自動運転)」「S:Shared & Services(シェアリング)」 「E:Electric(電動化)」
産総研の石村和彦理事長(左)と私。新設した特殊路の上で、研究開発のさらなる加速を誓い合いました
近年、開発工程のより少ない「試作・評価レス」で、効率的なバーチャル開発が大きく注目を集めてきました。しかし、車自体が大きく変貌する中で、もう一度、指標となるリアルデータを取得する必要性が高まっていました。そこで今回、産総研のテストコースに、新たに6種類の特殊路を設けることにしました(詳しくは、末尾のプレスリリースに譲ります)。
いざ、テストコースへ
テープカットなどの式典の後、いよいよ“試走”に臨みました(私は運転せず、助手席に座っていましたので、正確には「試乗」ですね)。私は以前、ブレーキ関係の仕事をしていたこともあり、テストコースでの試乗は毎年のようにしていましたが、バンクのある高速カーブ路は初めてでしたので非常に刺激的でした(かつてアラブ首長国連邦で砂漠の悪路を走った時のことも思い出し、ワクワクしました)。
新設した特殊路については、ベルジャン路(石畳)や波状路(波打った路面)など、本当によくできており、実際の路面状況を忠実に再現していると感じました。中には、小牧本社・製作所(愛知県小牧市)周辺の市街路を模した“小牧路”までありました。これは、当社周辺で過去に得てきたデータと比較検証するためのものです。これまでの開発における蓄積をベースに、この産学連携の新たな取り組みを通じて、製品開発・社会実装という形で確実に成果を出していかなければならないと身の引き締まる思いがしました。
つくばから世界へ
この連携研究室での共同研究は、まずは2025年9月までの5ヶ年計画となっています。この10月に2年目を迎えるとともに新たなテストコースがオープンし、さらなる進展と飛躍が期待できます。5年を待たずに、この「知の集積地・つくば」から、当社グループの事業を支えるとともに、世界に誇れる新技術・新製品・新ソリューションが生まれることを心から楽しみにしています。
■関連プレスリリース
https://www.sumitomoriko.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/10/n51910609.pdf