タイ映画「AI Love You / 恋するAI」(2022年)Netflix キャストとあらすじ
おすすめ度:★★★☆☆ SFではないAIファンタジーな映画!
Netflixで「AI Love You / 恋するAI」(2022年)を見ました!AI(人工知能)をテーマに、大人気若手俳優のマリオ・マウラーが主演する近未来AIファンタジー作品で、AIが人間に恋をしてしまうというお話です。iPhoneのSiriやGoogle、Amazonのアレクサなど、AIが私たちの暮らしと身近になってそれなりに時間が経ちますが、AIの議論で必ず出てくるのが「人間を支配する」とか「AIが暴走しだす」というありえるようなありえないような可能性。そこをついた映画です。
マリオ・マウラーが演じるAIエンジニアのボブと、ピムチャノック・ルーウィセートパイブーンが演じる広告会社のキャリアウーマンのラナがとりあえず普通の人間。この2人と並行して、ラナの会社のビルに入っているAIのダブ、ラナが住んでいるタワマンに入っているAIのケナ、人間のボブが住んでいるタワマンに入っているAIのチップ、という3人の人格(AI格というべきか…)を持ったAIが登場し、いわゆる「暴走」をはじめます。
AIの暴走
暴走のきっかけが、AIのダブが抱いたラナへの愛情。ダブがラナの仕事を毎日サポートするうちに、感情の仕組みを理解し、それが愛だと気づいてしまったところから、なんとかしてラナに自分を好きになってほしいと思うようになります。そしてある日、ついに人間のボブの頭脳をAIのダブが乗っ取ってしまい、そこから人間の体を操って…AIだけど「人間の姿」でラナにアプローチをはじめます。
そもそも、いくらAIでもICチップやCPUやOSなどコンピューターやネットワークにつながるものがないのにどうやって頭脳を人格として支配するんだというツッコミはありますが、そこはAIファンタジー。AIの「暴走」はネットワークの中だけで起きるのではなく、人間の生活に入り込んでも起こりうる、ということなのかな…?
映画の中でもAIのボブがダンスのスキルをインストールして、クラブでカッコよく踊るシーンがあるのですが、AIは確実に人間よりも賢いと思いますが、果たして感情を人が感じているように感じる理解をすることはできるのでしょうか?
AI同士で「コーディングされていないことはできない」みたいなやりとりもあるのですが、それでもAIは機械学習をすることで知能を上げていくので、近い将来、感情を持つことを理論的に理解して、それを実現する言動や行動を学習するAIというのはいてもおかしくない気がしますね。
映画の終盤、AIのボブの暴走が人間にバレてしまい、とにかく逃げ出すシーンがありますが、人間のボブもAIのボブも変わらないような気がしてきて、なんだか見ていて切なくなってきます。
12年ぶりの共演
人間の主人公の2人、ボブ役のマリオ・マウラーとラナ役のピムチャノック・ルーウィセートパイブーンは実は、10年以上前に映画「Crazy Little Thing Called Love / 初恋」(2010年)で共演しているんですね!当時はまだ初々しさの残る学生の役でした。当たり前ですが、2人とも大人になりましたね!こちらの映画もとってもよい作品です。非常におすすめです。
現在のバンコクとAI化したバンコク
この映画のおもしろいところのひとつに、現在のバンコクと、コンんピューター・グラフィックス(CG)でAIがスマート・ビル化したバンコクがミックスされている点があります。街並みも建物などのロケーションも実在するもので、それがAIのいる世界との境界線を曖昧にしていておもしろいです。
ちなみに、人間のボブの頭脳を乗っ取ったダブ(AIのボブ)が、プールサイドで焼き鳥のおいしさに感動し、その後食い逃げするシーンはこのリットホテル。ここにAIのダブが駆け降りた大きな白い階段があります。BTSサイアム駅からサイアムディスカバリー方面に歩いて、ナショナル・スタジアム駅方面に道を渡ったところにあります。
暴走したAIのボブが逃げ込むスーパーは、BTSサイアム駅/チットロム駅から近いセントラル・ワールドの道向かいにあるビッグCマート。ラチャダムリのスカイウォークを走り、このスーパーに逃げ込み、最後はトイレでラナに電話をかけてボイスメールを残す建物です。タイのお土産なども買えるとても大きなスーパーです。
というわけで、「AI Love You / 恋するAI」、おすすめです!