クロクビレハリアリ その3
2018.01.22 10:51
サスライアリ亜科
クロクビレハリアリ属
クロクビレハリアリ( Lioponera daikoku ):本州、九州、奄美大島、沖縄島で確認されていますが、採集例は少なく稀な種です。樹上の枯れ枝内に営巣し、樹上性のアリの巣を襲い、それらの幼虫や蛹をエサとしていると考えられています。体長:3mm。
2016年12月初旬、静岡県伊豆半島南部で採取したクロクビレハリアリの飼育中に観察された「子育ての様子」について紹介します。
写真①:巣内の様子。矢印の幼虫はエサとして巣に運び込んだテラニシシリアゲアリの幼虫。その他クロクビレハリアリの卵、幼虫、繭が見られる。
写真②:幼虫を運ぶ有翅女王アリ。成虫を運ぶ時と同様に大顎で首付近をくわえて運ぶ。
写真③:エサとなるテラニシシリアゲアリの幼虫の上に自分の幼虫をくっつける。その後、クロクビレハリアリの幼虫は写真下(矢印)に見られ るように自力でエサに食い込んでいく。
写真④:エサのテラニシシリアゲアリの幼虫に5頭のクロクビレハリアリの幼虫が群がっている。
写真⑤:拡大するとクロクビレハリアリの幼虫がエサに食い込んでいる(矢印)のがわかる。
写真⑥:幼虫は成熟すると糸を吐き、繭を作り始める。
写真⑦:繭(写真中央)がほぼ完成した。
写真⑧:蛹が色づくと、繭の外からもわかるようになる。羽化が近い。
写真⑨:繭内で羽化した個体が、いよいよ繭を食い破って外に出てくる。
写真⑩:他の成虫が羽化を手伝う。
写真⑪:無事に繭から出てくる。
写真⑫:エサとして運び込まれたテラニシシリアゲアリの蛹が巣内で羽化し、次の日まで生存した。