★暦と季節のズレを陰陽五行で補うのが日本文化のおもしろさ
旧暦茶房の店主修行中のやっこです。
今日は「旧暦」について勉強をし直しています。
★旧暦であれば季節と暦はズレないのでしょうか?
答えは、旧暦でも、ズレています。
そもそもは、旧暦は、中国で発明された暦で
もともと日本の気候とズレがあるからです。
ちなみに、年中行事も中国から輸入したモノが多く
日本の気候からずれています。
古代中国の文明の中心は、黄河の中流から下流の一帯なので
日本より寒冷で大陸的な気候の地の暦なのです。
季節がズレていても、
中華文化の崇拝が背景にあり使用され続けていました。
参照 暦のからくり
●太陽暦→季節は合っているが、年中行事の季節感にはズレているモノがある
現在使用のカレンダー。グレゴリオ暦。
1873年(明治6年)に採用。
太陽の動きで暦が作られています。
農業などに便利。
【季節がズレている例】
スーパーでしか手に入らない春の七草。
桃の花の咲かない「桃の節句」。
卯の花の咲かない卯月。
梅雨時と無縁でないはずの鯉の滝のぼり。
梅雨でほとんど会えない織姫と彦星の七夕などなど。
●太陰太陽暦→季節(太陽の1年周期)には合う年と合わない年が出てくる?月に関する年中行事は合っている。
太陰太陽暦は、月の周期を、太陽の1年で表現している暦。
月の満ち欠けに関係する漁業などに便利。
参照「暦のからくり」
●二十四節気→中国の華北省の気候で作られているので日本の気候とズレている
二十四節季は、太陽暦の1種で、
太陽の1年の周期を24で均等に割った暦。
●七十二侯→二十四節気を基に作られているのでズレている。
各名称が何度か改定されています。
例えば
七十二候の二候
黄鶯睍睆(こうおうけんかんす)は、
明治時代の略本暦からで
その前の江戸時代の貞享暦では、
梅花乃芳(うめのはなかんばし)
さらに前の中国の宣明暦では
「蟄虫始振」(ちっちゅう はじめてふるう)
と変化しています。
参照 「暦のからくり」岡田芳朗 著
奈良時代~江戸時代初期 唐の「大えん暦」「宣明暦」に記載の七十二侯を使用。
1984年(貞享元年)に日本独自の暦法「貞享暦」が採用され、翌年から七十二侯は改訂された。
「宝暦暦」「寛政暦」と改暦。
1874年(明治7年)の「略本暦」に改訂後、現在に至る。
参照 国立天文台HPより
★補講 日本の暦 江戸から明治の改暦
★季節と行事はズレていても旧暦は
太陰太陽暦は、「月」の満ち欠けを意識した視点を持てる
豊かな時間の過ごし方だと感じています。
二十四節気や七十二侯は、季節の観察眼を養えます。
複数の暦を使っていた昔の人は
それだけでも豊かな視点が持てていたと感じてしまいます・
★日本の年中行事に陰陽五行の仕掛けの面白さ
「このような季節のズレは、
もとを正せば中国の気候・季節感を
日本の気候へ無理やり当てはめたものだから生じた。(中略)
この陰陽説を使って、季節のズレを理論的に補おうとしたのである。」
「現代に息づく陰陽五行」稲田義行・著より引用
スムーズに次の季節に移行できるように
「陰陽五行」で年中行事にアチコチ仕掛けているのが
日本の年中行事の面白いところです。
これが一番、旧暦茶房でやりたいことなんです!
★本日の歩み
・暦と季節のズレを調べた
・年中行事を陰陽五行で深堀したティータイム提供したい。
初心者にもわかりやすく!