「プロレスによって人生を活かされてるなって思うんですよね」ガンバレ☆プロレス:今成夢人選手インタビュー!
――もともとは映像班という関わりからスタートされたと。
今成)2011年1月くらいからDDTでなんとなく働きだして10年以上になりますね。背景的には大学卒業してTV局に入社はしたんですけど、営業部の配属だったりで自分のやりたいこととギャップがあって。大学時代にドキュメンタリー映画「ガクセイプロレスラー」を撮ったんですけど、それを男色ディーノさんが見てくれていて、うちで働いてみないかと。
――学生時代からDDTとも関わりが。
今成)学生プロレスをやってましたからプレイヤーといえばプレイヤーだったのと、学生プロレス=アマチュアの選手でありながらDDTのBOYS大会にも出させてもらったり。アマチュアなのかプロなのかというあいまいな状況だったんですけど、先輩に「もうプロなんだから先輩に挨拶してきなさい」って言われて、その日をデビュー記念日ってことにしましたね。
――5月3日後楽園大会では高岩竜一選手に勝利してガンバレ王座を戴冠、ちょうど2年前には大谷晋二郎選手にも勝ち(2020年7月5日「第17回天下一ジュニアトーナメント2020」1回戦)、自分が見ていた選手と戦う、勝利するというのは特別な感情が沸いたと思います。
今成)自分が見てた選手に対する想いっていうのは、僕は比較的強い方だと思うんです。ファン時代は深夜にやってたテレビをVHSで録画して、何回も見るっていう生活をしてましたたから。その時間に起きてられないし、画質よりもとにかく見れる方が大事だ!って思って。
――我々世代は「3倍」か「標準」か、使い分けながら録りました(笑)
今成)そうですそうです!で、そのVHSで見た記憶とその人が目の前にいるっていう、ここまでの時の経過とか、すごくエモーショナルな時間ではありましたよね。
――噛み締めてらっしゃいますね(笑)
今成)それこそそのお二人がIWGPジュニアの初代タッグチャンピオンになるわけなんですけど、その試合もまた深夜の放送を録画して何回も見た記憶があったな~とか。
――僕も録画して何回も見てましたね。
今成)映画監督のタランティーノは昔レンタルビデオ屋で働いてて、そこでいろんな映画をたくさん見て自分の映画を作るときの参考にしたり、「映画好き」ってことを詰め込むような人だと思うんですけど、僕が大谷選手・高岩選手と戦うっていうのはそんな気持ちなんですよね、タランティーノのような気持ち。
――その二人に勝利して王者であるわけですが、7月10日大田区体育館のタイトルマッチはどんな展開になると予想されていますか?
今成)僕の中のキーポイントとしては、プロレスで飯が食えてない者同士のメインイベントなんですよね。大家さんはエビスコ酒場、僕はDDT系を中心とした映像制作、人に見える形でプロレス以外の仕事をしてる。で、そっちが主たる収入源なんですよね。でもプロレスだけで食えてないけどプロレスによって人生を活かされてるなって思うし。他の仕事があるからこそプロレスだけで食えてる人とは違う生活者の目線というか、労働者・生活者としての価値観がものすごく今回のメインイベントに入ってくると思うんですよね。リングの内側と外側って分ける必要はないと思ってますから、全部をリングの中で背負って戦えたらいいなって思ってます。
――人生をぶつけ合うという。
今成)二人ともガンプロがなかったら悲惨な人生だったんじゃないかなって予感がするんですよ。ガンプロいうベースがなかったら「大家!大家!」って言ってくれる人はいなかっただろうし、僕も映像に自分の気持ちを代弁してもらおうってだけだと、正直キツかったかもしれないですね。プロレスのおかげで今がある、それくらい僕も大家もプロレスで人生再生したっていうのは感じますね。
――さながら人生再生劇場ですね。
今成)見てる人の中にも大家のような弱さを抱えてる人、今成のようにもんもんとしてるものを表現できないでいる人っていると思うんです。多いと思うんです。そんな気持ちを僕らに預けてもらいたいなって思います。身体的にスゴイってことじゃなくて、みんなと同じ生活をしてると思いますし、見てる人に自分を重ね合わせてもらったら僕の力にもなります。
――ああ・・・我々おじさんにはグッと来ます。
今成)プロレスラーって業界内部でもマウントされることが多いし、『俺が歩んでるレールは正しい。あいつらみたいにならなくてよかった』って安心したい人、自分は上手くいってるって思い込んでる人もいると思うんですよね。でもそういう人たちにも手を差し伸べられるのっていうのは大家健であり今成夢人だと思うんですよね。完全に人生のレールを外れかけた二人ですから。でも今のレールで人生悪くないなって思えましたし。この団体のおかげですよ。
――試合後、泣いちゃいそうです。
今成)ちょっと前まで大家健にはドライな感情でしたけど、試合の1週間ぐらい前になってくるといろんなこと思い出しましたね。僕は大学の卒業制作は評価されて上手くいったかもしれないけど、そっから転げ落ちた感じがあったんですよね。そこで声をかけてくれたのが彼だったし、プロレスで奮起するぞって言ってくれたのが彼でしたし。彼の言葉・強引さ、人に「やるぞ」っていうやけくそ感が彼の最大の強さであり力ですよね。
――感謝を込めてぶっ倒すと。
今成)当時その言葉をかけた相手が最大の敵になるって思わなかっただろうし、僕も思わなかったですし。何がキッカケで人は成長するか分からない。
誰も俺がこんなに体を大きくして、誰も俺がレスラーとして商品になるなんて思ってなかっただろうし、キッカケを与えてくれたのは大家健だけど、モノにならなって周りに言われても、俺は自分に栄養を与え続けたんですよね。絶対見返すんだ!って。
――では最後にファンの皆様に熱いメッセージをお願いします!
今成)きっと見に来てくれる人の中にも大家・今成と重なる部分ってあると思うんですよ。今回はマスク着用なら声出しOKですから、大袈裟かもしれないですけど人生のエールの交換ができる場にしたいです。この日は最後に僕がベルトを持って入ってくるわけなので、その象徴になりたいと思います!
<今成夢人/YUMEHITO IMANARI>
DDTプロレスに映像班として在籍しながら、2013年に旗揚げしたガンバレ☆プロレスに参加。大家健との二人三脚で団体を牽引してきたが、今成革命や自身の性癖を前面に押し出した「ぽっちゃり女子プロレス」で頭角を現し、ついには大谷晋二郎とHOT JAPANを結成。Twitter)@yumehitoimanari
https://www.ticketpay.jp/booking/?event_id=38443
<大会情報>
【名称】WRESTLE SEKIGAHARA
【日時】2022年7月10日(日) 開場13:00 開始14:00
【会場】東京・大田区総合体育館
■対戦カード
○メインイベント~スピリット・オブ・ガンバレ世界無差別級選手権試合
<王者>今成夢人 vs 大家健<挑戦者>
※第2代王者は初防衛戦。
○スペシャルシングルマッチ
鈴木みのる vs 勝村周一朗
○スペシャルタッグマッチ~CDKvsROMANCE DAWN
クリス・ブルックス&高梨将弘 vs 翔太&高尾蒼馬
○スペシャルシングルマッチ
まなせゆうな vs ウナギ・サヤカ
○ガンバレ☆プロレスvsEruption
渡瀬瑞基&春日萌花&冨永真一郎 vs 坂口征夫&赤井沙希&岡谷英樹
○因縁の四獣集いし関ヶ原~スペシャルタッグマッチ~
石井慧介&入江茂弘 vs 木髙イサミ&石川修司
○ガンバレ☆プロレスvs高岩軍団
岩崎孝樹&前口太尊 vs 高岩竜一&5代目ブラックタイガー
○ガンプロ名物3vs2ハンディキャップマッチ
ガンバレ玉川&島谷常寛&HARUKAZE vs 怨霊&YuuRI with 一般人 澤宗紀
◆今大会に所属全選手&レギュラー参戦選手が出場するとは限りません。ご了承下さい。
https://www.wrestle-universe.com
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■取材を終えて
「俺なんて皆さんと変わりませんよ」と言う今成選手。でもその今成選手に心重ねて、自分を投影して勇気をもらってる人が必ずいます。ぜひ会場で感じて欲しい~!
今日もプロレス最高っ!
(聞き手:スレンダー川口 @slender_kg)
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