南北戦争3-アメリカ共和党誕生
2022.07.09 11:12
カンザス・ネブラスカ法がきっかけで、1856年米国共和党が結成された。ホイッグ党だけでなく、民主党の中でも北部を中心に奴隷制反対の議員が出てきており、新政党の気運が高まった。この党のスローガンは「自由な土地、自由な労働、自由な人間」である。
西部開拓農地については、積極的に自由な人間に与えることを掲げ、また銀行を拡大し、鉄道や工場の積極的な建設を掲げた。この党は、自由主義こそが国を発展させるということが基本理念であり、他からの干渉をさせないという意味では、レーガン主義に通じている。
そして56年の大統領選挙ではカリフォルニアの上院議員フレモントを擁立した。対する民主党は、奴隷制の問題は州ごとに決めるべきという態度をとり、共和党が勝てば内戦が起こると主張した。これに対して共和党は、州ごとに決めることがカンザスの流血を生んだと反論した。
この選挙は奴隷制をめぐって加熱し、一般投票で過半数を取った候補はいなかったが、31州のうち19州を取った民主党のブキャナンが大統領に当選した。しかし候補者は3人おり、北部の票が分散したことで、共和党は選挙準備をすれば、次の選挙では勝てる可能性があることを示した。