M.S.G ヴァリアブルフレームシステム ガルダギア【ベルーガ】 レビュー 2022.07.13 08:18 今回のレビューは、ノンスケール モデリングサポートグッズ より、“ヴァリアブルフレームシステム 01 ガルダギア【ベルーガ】” です。 コトブキヤのプラモデル用サポートグッズシリーズ、モデリングサポートグッズ(M.A.G)に新カテゴリ、“ヴァリアブルフレームシステム” が登場。 第1弾キットとして、“ガルダギア【ベルーガ】” が発売されました。 シリーズ開始当初はディティールアップ用のプラユニットや比較的シンプルな武器類のウエポンユニット、ハイディティールなハンドパーツ、汎用オプションパーツのメカサプライなどの小物を中心に展開していたM.S.Gも大型かつ組み換え可能な大型武装シリーズのヘヴィウエポンユニットが登場し、さらにFAG等が乗り込めるギガンティックアームズ、そして今回のヴァリアブルフレームシステムと、もはやオプションの域を超えた、一個で完結する大型キットのリリースも増えてきました。 ヴァリアブルフレームシステムはコンバートボディ、プログレスボディに続く単体ロボットタイプのキットですが、その名の通り変形をコンセプトにしたものになっています。 01と数字が振ってある以上は今後シリーズ化されるものと思うのですが、はたしてこれはM.S.Gとしてよいものなのだろうか? というのが、組んでみての素直な感想です。 というのも、M.S.Gといえばやはりほかのキットと組み合わせることによる自由な組み換えこそが醍醐味だと思うのですが・・ ちょっともう先に言ってしまいますけど、今回のガルダギア【ベルーガ】に関しては、基本的に組み換えは想定されていないようなんですね。 名称的にもっとヘキサギアに近いものだと思っていたので、正直当てが外れたというか・・ いや、単体のキットとしては非常に完成度の高いものなんですよ。こっちが勝手に勘違いしただけで。 ただ、今あえて新カテゴリとしてこのテのキットを出す意味ってなんなんだろう? レビューしていきます。 キットはパチ組みに一部塗装での仕上げです。 まずほぼほぼ内部フレームのみの状態で。 内部メカが再現されていない頭部と、胸部及び脛裏に組み込む必要のある白色成型パーツ以外はM.S.Gといえばこの色、というグレーの単色成型です。 ハンドパーツにはM.S.G ワイルドハンドが流用されています。 ヴァリアブルフレームシステムという名称の通り、ベースとなるこのフレームに外装を被せて完成という構成になっているので、往年のガンプラMGを組んでる感覚でしたね。 なお、説明書では各ユニットごとに外装まで組み付ける流れになっているので、その通りに組んでいくと当然この状態にはできません。 それもMGっぽいな。 で、見ていただくとおわかりだと思いますが、基本的にこれで完結したフレームになっています。 ボディ内部に搭乗席のようなものもなく、FAGなどのガールキットやヘキサギアのガバナーとの連携もとくに考えられていません。 そのあたり、最近のコトブキヤキットとしては珍しいです。 変形機構を組み込むことが前提ということもあったのでしょうが、初期のヘキサギアのようにパーツ単位でバラしてまったく違うフォルムのフレームを組む、というようなことも・・まぁ完全に不可能とは言いませんが、なかなかに困難だと思います。 少なくとも僕には無理だ(諦)。 勝手にヘキサギアに近い構造だろうと思っていたんですが、そもそもヘキサ孔がない。 ギガンティックアームズではけっこう採用されていたので、こちらも当然そうなるだろうと思っていたんですけどね。 背中に、申し訳程度に1箇所あるだけです。 しかもデフォルトの組み立てには一切関係ありません。 さてこのガルダギア【ベルーガ】、ロボット形態から戦闘機形態に変形するのですが、もちろんフレームのみの状態でも変形させることは可能です。 というか、この状態のほうが各部の移動がわかりやすいでしょうか? まぁおおまかに言うと、腕部を後ろに倒し、腹部で180度回転、さらに腰部でもう一度180度回転させ、股関節を開いて脚部を後ろに倒すという感じ。 まぁまぁシンプルです。 もちろんこの状態だとイマイチなんだかわかりませんが、外装を付けた状態で変形させるとちゃんと戦闘機になっている、と。 ならば、外装の形状を変えることである程度変形モチーフの変更は可能ということですね。 例えばこんなとか、 こんなとか、 こんな状態にしても、 外装次第ではなにかしらそれっぽいものに見せることはできるのかな。 今後第2弾、第3弾とシリーズが続くものと仮定して、今回のこのフレームをそのまま、あるいは一部流用するのか、それともまったく新規のフレームを投入してくるのか・・ 外装、武装を取り付けてガルダギア【ベルーガ】完成。人型形態 おそらくはこのような人型から、戦闘機などの飛行タイプのビークルに変形するものの総称が “ガルダギア” で、この機体固有の名称が “ベルーガ” ということなんでしょうね。 そのへんのこと説明してるとこあったかな? 設定とかあんまり見ない人なので・・ ちなみにベルーガというのは白イルカのことですね。その名の通り、外装はほぼ真っ白(実際にはオフホワイトとライトグレーの2色)。 額のセンサーとツインアイのクリアブルーが映えます。 この成型色は、そのままでも塗装しやすいようにということでもあるんでしょうかね? 全体に直線で構成された外装パーツは適度にディティールが入っているものの、面構成は非常にシンプル。 あまりヒロイックな印象はないかもしれません。 どちらかというと量産機っぽいかな。でも高性能っぽくはある。 あと、名前(カテゴリ名)が似ている某可変戦闘機にちょっと雰囲気が似ています。 というか、ほぼコトブキヤ版のそれですよね。 背面。 機首が尻尾のように背中から下がっています。 定番だと、そのまま胸部から腹部にかけて折りたたむ構造にしそうなところですが、可動性の確保と、あとは変形に一捻り入れたかったのかもしれませんね。 デザイン的にもいいアクセントになっていると思います。 頭部アップ。 王道のツインアイにマスクタイプのフェイス。 これはまたV字アンテナを付けると・・やめておきましょうか。 前腕外装のカバーを外すと3㎜穴のハードポイントがあります。 ほかにも太腿側面などにもいくつか露出している3㎜穴がありますが、数としては少なめですね。 脛裏のスラスターは可動します。 また、股下に5㎜穴があるのでフライングベースなどを使ったディスプレイが可能です。武装類ライフル 変形時は機体の一部に組み込まれることもあり、外装と共通性のあるデザインになっています。 センサー部分のみ塗装しました。 保持には銃持ち手を使用。 先にも言った通りワイルドハンドの流用ですが、人差し指以下の4指のパーツは新規造形になっています。 なお、グリップ下部のバーが可動するため、持ち手はバラさす、そのまま持たせることができます。レーザーソード 定番の格闘武器ですね。ビームではなくレーザー、ですけどね。 汎用持ち手で保持します。この持ち手はすべて新規造形。 前腕の装甲内に左右1本ずつマウントしています。 なお、マウントした状態でもレーザー刃を取り付けることは可能。接続軸は3㎜です。 レーザー刃はクリアパーツで再現されているのですが、表面にゲート跡の出ない親切設計。 どこぞも見習ってほしい。 それでは、飛行形態に変形していきましょう。 先ほどフレームのみの状態でおおまかに説明しましたが、あらためてざっと流れを見ていきたいと思います。 ちなみに、全28ページある冊子タイプの説明書の後半部分はまるまる変形手順の説明になっています。 まぁ確かに、順を追って細かく説明すればそれくらいの分量は必要なのかもしれませんが、決して難解ということはなく、例えば変形トイなんかに慣れた人なら両形態の画を見ただけで感覚的に変形させることは可能だと思います。 逆に、組み立て自体は同価格帯のキットのなかではかなり簡単ということでもあります。 では実際に変形させていきます。 ライフルは取り外し、ハンドパーツは握り手にしておきます。 最初に頭部を胸部に収納するのですが、まず首の後ろにあるストッパー状のパーツを後ろに引きます。 そして頭部を収納。 さらに各パーツを画像のように動かします。 ウイングを前方に倒し、腕部を動かして肩アーマーと前腕外装を合わせます。 腕部を180度回転させ、さらに後方に倒します。 このとき、根元の接続パーツの向きに注意です。 腹部から下を180度回転させます。 機首パーツを前方に動かし、胸部パーツとジョイントで固定(下画像赤丸の位置)します。 ウイングを横向きに倒し、胸部パーツとジョイント(下画像赤丸の位置)します。 さらに、腰部から下をまた180度回転させます。 股関節のロックパーツを伸ばし、股関節を開きます。 ここでも、脚付け根の接続パーツの向きに注意です。 足首をたたみ、足首アーマーを閉じます。 脚部はまっすぐ伸ばしたまま、そして股関節のロックパーツの先端にライフルを取り付け、下半身全体を下図のように動かします。 なお、ライフルはあらかじめ銃口を収納しておきます。 ライフルの後部を背中のジョイントで固定。 さらに太腿裏の3㎜穴に脚部ウイングの3㎜軸をはめ込んで固定します。 以上で変形完了です。戦闘機形態 各部のラインが綺麗に繋がったSF戦闘機が完成しました。 人型形態同様、こちらもシンプルながら非常に洗練されたデザインで、前後の長さに対する厚みのバランスも絶妙です。 ただまぁ、やはりちょっと既視感のあるフォルムではありますね。WRかな? あと、意外なほどコンパクトというか、価格のわりにはこぢんまりとまとまってしまったなぁ、という印象は否めません。 主翼は、デフォルトの後退翼の状態から、 可動によって前進翼状態にもできます。 機首には機銃が内蔵されており、カバーを開くことで露出させることができます。 着陸態勢を再現できるランディングギアパーツが付属。 底面3箇所にそれぞれ差し換えで取り付けられます。 こちらが前方1基(人型形態の腰部)。 こちらが後方2基(人型形態の膝アーマー)。 底部に5㎜穴がある(ロボット形態と同じ位置)ので、飛行状態でのディスプレイももちろん可能です。 前後に2箇所ありますね。 なお公式ではないですが、中間形態をとることもできます。 さらに腕部展開。 いわゆるガウォーク形態ですね。 それからこんな状態にも。 Twitterで過去最高の反応をいただいたアブルホール擬きです。 いや正直、あんなに反応があるとは思いませんでしたが・・比較画像 新カテゴリのキットということでコトブキヤキットでも純粋な比較対象となるものがないので、まずは単純なサイズ比較をしておきましょうか。 ということで、まずは人型形態で1/10スケールの創彩少女まどかと、1/24スケールのガバナー、ポーンX1と並べて。 どちらのスケールのキットと並べても案外成立するサイズ感のような気がします。 というか、もはやコトブキヤはなんでもアリだからなぁ(笑)。 飛行形態でも。 途端にコンパクトになるベルーガ。 でも、これも意外に違和感がないですね。 可変機構(システムコンバート)を持つヘキサギア、バルクアーム・グランツと。まず人型で。 プロポーションの違いもさることながら、ボリューム感に大きな差があります。 仮にベルーガがヘキサギアの世界観に登場するとしても、確実に世代が違いますね。 早くブイトールと並べてみたいとは思います。 ちなみに価格は一緒です。 まぁ、グランツは今後再販時に多少値上がりするかもしれませんが。 それぞれ変形させて。 こちらでのボリュームもグランツが圧倒しています。 なお、変形構造にはに通った部分もあります。 オマケ。 思ったほど似てなかった(笑)。 WRのほうが雰囲気は似ているように思います。以下、画像 シンプルなデザインに変形ギミック搭載の恩恵もあり、可動性は優秀。 おおよそできてほしい動きは再現できるかと。 主要な可動軸は5㎜でポリパーツも使われているため、保持力も十分だと思います。 ということでポージングをいくつか。 まずライフルとソードをそれぞれ構えた基本の戦闘スタイル。 人型形態では遠近それぞれのメインウエポンにサブウエポンとして胸部に機関砲を2門装備。 非常にスタンダードな機体という印象です。 足首は3軸で可動するので接地性は抜群。自立は安定します。 立て膝もばっちり。 肩も横向きに引き出せるので、ライフルの両手持ちも余裕です。 ウイングを動かすとけっこうケレン味のあるシルエットにもできます。 ハンドパーツがワイルドハンドということで、平手にするとなんとも荒々しい雰囲気になりますね。 そういえば、バルクアームのグランツ系もワイルドハンドなんだよな。 スタンドを使って。 5㎜接続なので安定したディスプレイが可能です。 定番のポーズも。 飛行形態でも。 前進翼モードで機首の機銃展開。 戦闘機形態では基本的にこの機首のものとそれよりも小口径の計3門の機銃のみが攻撃手段ということになりますね。 ちょっと火力不足だな。 機首から展開する武器はレーザーキャノンくらいでもよかった気がする。 後ろから。 脛裏のスラスターはこの形態でも一応開くことは可能。 そしてライフルも銃口を展開することはできるので、後方迎撃も可能、と。 さて、基本的に組み換えは想定されていないと最初に言いましたが、もちろんコトブキヤキットなので、最低限の組み換え・・というか、同じM.S.Gの取り付けや他シリーズのキットとの組み合わせはある程度は可能。 ということで、まずは本体はそのままでM.S.G装着。 ベルーガ重装仕様という感じで、とりあえず3㎜穴、軸に適当なM.S.Gを取り付けてみましたが、もちろんこのまま変形することはできません。 というか、本体そのまま、変形ギミックも活かしたままM.S.Gを盛ろうと思うと、ただでさえ少ないハードポイントがさらに限られてしまいます。 では、ベルーガに盛るのではなく、ベルーガをほかのキットに盛るという方向で・・ディフィニッションアーマー アルバトロス ウッドペッカーの発展機として飛行および空戦能力の強化を目的に開発された試作機。 ガバナーのコクピットを兼ねるボディ部分はほぼそのままに、大型のウイングユニットと機首ユニット、そしてランディングギアを兼ねるスラスターを増設している。 という感じで、ウッドペッカーをベースにベルーガのウイング、機首パーツ、そして足を使った組み換えをしてみました。 塗装してカラーを統一すればなかなかまとまったデザインになってるんでじゃないですかね。 各部を動かすことで駐機形態に変形可能。 まぁ、完全にスタンバイ状態ですね。 このまま歩行はできそうにないです。 もちろんハッチも開閉し、ガバナーの乗降が可能です。 フレームをバラしてのミキシングは難度高めという気がしますが、このようにウイングや機首パーツはほかのキットをベースにした組み換え素材としてはけっこう使いやすいと思います。 そして、まぁやるよねということで、コトブキ版V〇G。 ライドしてもらうガールには色味の合うサマーテルさんを招聘。 思った通り、よくお似合いです。サイズ感もいい感じ。 まぁ、ただ飛行形態の上にガールを乗せただけなんですが、そのままだと掴まるものがないので、頭部の代わりにグリップ(ギガンティックアームズ アームドブレイカーのパーツ)を取り付けました。 キットには普通に頭部を取り付けるためのボールジョイントのほかに、組み換え用の3㎜軸ジョイントが付属しているので、それを使って、さらに適当な六角軸で繋いでいます。 ガウォークモードでも。 この形態ではさらにサマーテルの足を乗せるステップとして彼女に付属の武器パーツを使用。ベルーガの脛側面に取り付けました。 V〇Gといえばバックショット。 うむ。本家にも引けをとりませんね。 そして最後に、これは完全なおふざけですが(笑)。 これが、ガルダギア・アイギス・・ 愛花ちゃんに装着してもらったのは、これもカラーコーデの関係。 もっとも、長髪キャラはその髪が邪魔で取り付けられませんので、おのずと選択肢は限られます。 先にも使った3㎜軸ジョイントに創彩少女まどかなどに付属のメガミ用首パーツを組み合わせて愛花ちゃんの頭部を取り付けました。 もちろん、首パーツを創彩およびFAG用のものにすれば彼女たちの頭部も載っけられます。 組み換えは想定されてない・・とか言ったけど、結果としては意外と遊べたな。 以上、“ヴァリアブルフレームシステム ガルダギア【ベルーガ】” でした。 ヘキサギアのように比較的気軽な組み換えも楽しめるものと思っていたので、ちょっと当てが外れたというのが正直なところ。 ですが、単体のキットとしての完成度は非常に高く、とくのカテゴリ名にもある変形機構のスムーズさ、変形後のフォルムのまとまりのよさはコトブキヤ史上最高クラスだと思います。 ゆえに手を加えるのが難しいところで、やはり変形機構を活かしたまま武装を持ったり組み換えしたりというのは至難の業かと。 まぁ、発想を転換することでいろいろと遊ぶことはできた(笑)のですが、ちょっと最近のコトブキヤキットのなかでも異質な存在になったかなぁ。 まぁ、仮にガバナー用コクピットとかが内蔵されていたらそれはもうヘキサギアですし、ガールキットと連動挿せればそれこそVFGだし・・ しかしただの変形ロボットということなら、フレームアームズでもできたんじゃないか? とは思いますね。 あえて新カテゴリとして登場させた意味が・・今後シリーズ継続していくなかで見えてくるんだろうか? シリーズ継続・・するよね? 変形ロボット自体は好きだから、新作出るならもちろん買いますけども。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。