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色彩

人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜㊱

2022.07.10 04:27

第三十六章〜違和感〜


「…ここなんだゾ。」

「グリム、静かにね。」

だって保健室だし。

「足を怪我したヤツがここにいるって話

なんだゾ。たのもー!」

…静かにする筈がないか。後なに?

その道場破りみたいな掛け声。

「なんだ、お前ら…、ゲェ!?」

なに?

「リドル寮長に一目置かれていながら、

モストロ・ラウンジの番長!」

だから何?その噂?

いや、まぁモストロ・ラウンジで働いている間は取り立てとかしたけど。

「まぁ、それは置いといて怪我したときの

話をー。」

「しないと前足折られる!!」

「しませんって。」

「…なーんか、どんどん噂が大きく

なってんだゾ。」


事故にあったハーツラビュル生は、落ち着いた様で話してくれた。

「それが…、俺にもよくわかんねぇんだよ。コイツと話していて気が付いたら階段から落ちていたっていうか。」

「うん。躓いたとか滑ったとかそういうカンジじゃなくて。」

「勝手に身体がフワッと前に出たっつーか…

上手く説明できねぇけど。」

身体が勝手に動く?それってー。

「すいません、一つ聞いてもいいですか?」

「なんだよ?」

「その時、近くにサバナクロー生は

いましたか?」

「えっ?サバナ?落ちた衝撃で正直ー。」

「…ありがとうございます。グリム、次行こう。」


「なぁなぁ。オマエ、こないだ大怪我しかけたヤツだろ?ちょっと話きかせてくれよ。」

「いきなりなんだい、キミー、

ギャァァ!!」

えっ、いきなり酷くない?

「悪魔の子!」

…酷い。

「ポムフィオーレ生ですよね?話聞かせて下さい。」

「ふん!だれが悪魔の子なんかに!」

…めんどくさいな、よし。ここは。

バシッ!

「なっ!」

「…決闘?の申し込み方ってこれでいいのかな?」

「なにしてんだゾ!ユウ!」

「うーん、このままじゃ埒があかないし

決闘で勝ったら教えてくれますよね…?」

「舐めた真似をしてくれる!」

「宜しい!受けて立とう!」

だがー。

「やめなさい。」

凛とした声がして振り向くと、綺麗な人がいた。確か彼はポムフィオーレ寮の寮長

ヴィル・シェーンハイトだったか。

プロのモデルでマジカメのフォロワー数は

500とか。ピーちゃんもそのひとりだった。

「ヴィル様は凄い。」とか言われて、マジカメに投稿されていた写真はうん、なんて言うかレベルが違った。俺がまともな人間なら

ファンになっていた。

「ヴィル寮長!」

ヴィルさんは、呆れた様に溜息を吐いた。

「貴方達がマジフト大会に向けて本気で練習していたのは知っている。…けれど、あからさまな挑発に乗るなんてポムフィオーレ生として相応しくないわ。なにより、美しくない。」

そして俺達の方を向くと言った。

「貴方達もよ、マジフト大会で本気で練習していた者に対して配慮のない言い方。恥を知りなさい。」

確かにヴィルさんの言う通りだ、彼らは本気でやっていたのにそれを奪われた。確かに配慮が足りなかったな。

ポムフィオーレ生に向かって謝った。

「…すいません、配慮が足りませんでした。

ほら、グリムも謝って。」

謝ろとしないグリムを無理矢理謝らせる。

「いてーんだゾ!!」

「…なかなか手懐けるのが大変そうな狸ね。」

「タヌキじゃないんだゾ!グリム様ー。」

「狸でも、グリムでもどっちでもいいわ。

いずれにしても貴方は、美しくないわ。」

「ぐぐっ〜!!」

うーん、グリムとは相性がー。

というか、グリムと相性がいいヤツっているのか?この学園に?あ、エースとか?頭の悪さとか一緒だし。

ポムフィオーレ生は、俺が謝って来たのを見て頭が冷えたのか謝って来た。

「…済まない、頭に血が昇っていたようだ。悪魔の子とかポムフィオーレ生にあるまじき発言だった。許してくれるか?」

「もちろん。」


「それで?貴方達は、ドブネズミの様になにをコソコソかぎまわっているのかしら?」

…ドブネズミか、酷いな。

いや、でもこの人から見ればそうも見えるか。なんせモデルだもんなぁ。

「実はー。」

ヴィルさんに学園長に頼まれた内容を話す。

まぁ、バラすなとは学園長に言われてないしな。

「…ハァ。呆れた。」

「なにがです?」

「学園長によ、まさかこんな新子ジャガに任せるなんてね…。」

ん?新子ジャガ?

「あのジャガイモではー、」

「だまりなさい、貴方達なんて新子ジャガで充分よ。」

「…そうですね。」

あまりの迫力に何も言えなかった。

「まぁ、そっちの新子ジャガは多少は使えるかしら?」

「俺ですか?」

「なんでもハーツラビュルでのオーバーブロット事件を解決したそうじゃない?」

…そんなに広まっているのか。

「あんまり期待してないけど、一応情報はあげるわ。話してあげて。」

「は、はい!あれは実験室でのことだ。薬を煮出している鍋を彼が素手で掴んでしまい教室は騒然さ!」

鍋を?いきなり?

「しかも薬をひっくり返して机の上はびちゃびちゃ。僕は本当に驚いたよ!」

「…ポムフィオーレ生としてあるまじき失態だわ…。」

ヴィルさんは、疲れた様に呟いた。

「す、すいません!」

「聞きたいことがあるのですが、良いですか?」

「なんだい?」

「その時、身体が勝手に動いたという感覚は?」 

「!!よく分かったな…。そうなんだ!上手く説明出来ないんだが…身体がフワッと前に出たと言うか…。」

「…どういうことかしら?」

「実は、マジフト大会の選抜メンバーに選ばれたハーツラビュル生も同じこと言っていたんですよ。」

「本当かい!?」

「だから、俺はこれを引き起こしたのは同一人物だって思っています。」

「…なるほど、なにか思い当たる節があるのね?」

「ええ、けど相手の情報を完全に集めて相手に突きつけないとー。」

ヴィルさんは、俺を黙って観察していたがやがて言った。

「…なるほどね、確かにこれは警戒するわね。」

「えっ?」

「貴方、自分が想像しているより周りにとっては厄介な存在よ?だって計画を崩される可能性があるんだもの。」

「そんなことはー、」

「あるわ、このアタシが警戒している。

ヴィル・シェーンハイトがね。」

「…。」

「あら?警戒させちゃった?

ごめんなさいね、でもそれはお互い様でしょう?なかなか楽しかったわ。…またね、ユウ。」

…この学園の上級生は癖がある。そう思ってオンボロ寮に帰ることにした。