貿易港の話。
小学5年生たちは、この領域を”休憩と整理”の時間だと
位置付けていました。なぜなら、目新しい内容の
割合がかなり低く、知っていることを知っていることと
繋げていくという意味合いが強い領域だったからでした。
例えば、成田国際空港。
輸入・輸出総額が最大の”港”です。
この空港からの輸出が多いのは、科学光学機器、IC、金。
これらは、”小さい割に高価なもの”の典型例です。
小テストにも類題を出していたので、
説明する前から説明されてしまいました。
次は、名古屋港。
輸出額が最大の”港”です。
この港からの輸出が多いのは、自動車、自動車部品。
ちなみに輸入品は石油関係が多い。
完全に工業に特化した輸出入品目だと生徒たちは
私が説明し始める前からそう説明していました。
中京工業地帯の名前もやはり説明する前からあがっており、
資料を見て類推する力がとても育ちました。
そして、東京港。
輸入額が多い港であり、繊維製品や魚介類の
輸入が多い理由を聞きましたが、
「人口多いからでしょ?日常的に消費するものが
必要に決まってるじゃん。」と言われてしまい。。
私が何か説明をしようとすると、
「ちょっと待って!私が説明する!!!!!」
「いや、俺が説明する!!!!!」と
とんでもないスピードで、正確に説明してきます。
私は地理の授業で大切にしていることを、
授業冒頭で必ず確認をします。
特に資料系の領域ではこんな風に伝えます。
1 資料が出てきたら、まず1位を押さえる。
これは理由を押さえることも必要だが、
頭の柔らかい君たちはまず1位を覚えてしまっていい。
2 資料を見れば1位とか2位とか分かるが、
それが一体どういう理由でその位置なのか、
くまなく説明をできるようにする。
ただ1位とか2位を覚えるだけでは、それは
地理の学習とは言えないのだ。
最低3位まで理由を全て検証しなさい。
言って来たことはこれくらいのことに
過ぎませんが、資料を見てまず何を考えるか、
その視点ははっきりと生徒たちと私の切り口は
同化しており、だから、知っていることを
繋げていくだけの領域については
とことん私の説明より先に説明してしまいます。
そして、2月初頭で地理の全単元を終え、
中学の領域へ突入していきます。
中学受験の領域というよりは、もう
中学2年生で習う地理を一部超えた内容となります。
地理は課題が多く、小テスト回数も多くて
ついてくるのですら大変だった子もたくさん
いたと思いますが、いよいよ思考方法が
整って来ており、今後歴史を学んでいくときも
その視点が大いに役に立ってくるでしょう。