まっすぐな嘘
不摂生のおかげかどうかは知らないが、口内炎が出来ちまった。
あぁ、確かに最近ラーメンばっかり食ってたもんなぁ。
そりゃ血もドロドロになるわなぁ。
それはそうと、僕はこう見えて人見知りなんだ。きっと皆笑うだろうけど。
人と話す時にどう思われているかっていうのを非常に気にしちゃうから、初めて会う人と話す時なんかは本当に緊張しちゃうんだよ。
もちろん心許せる人はたくさんいる。だけどやっぱり本当の僕を見せたことなんてないと思うんだ。
それって多分僕だけじゃないと思うし、いいことなのか悪いことなのかすら僕には分からない。
本当の僕を見せないことが優しさだったりすることもあるし、本当の僕を見せない強さだってあると思うからさ。
月曜日にある人と初めてゆっくり話す機会があったんだけど、それはもうまさに「意気投合」という言葉しか当てはまらないような時間だったんだ。
その会話の中でその人は「ある本の中で“騙される才能”という言葉を知った時、俺、すげぇ気持ちが楽になったんだよね」と言った。
その時、あぁ僕に足りないものはそれだと分かった。
実は僕が組んでるthe bitters endというバンドの曲で「まっすぐな嘘」という歌詞があるんだけど、ある人がその歌詞に非常に共感を覚えたと言ってくれたんだ。
確かに僕も“騙される才能”という意味を伝えたくてその言葉を選んだ。
だけど、申し訳ないけど、そこまで深い気持ちで選んでないのも事実だった。
だからその人が「まっすぐな嘘」という言葉になぜそこまで共感するのか、ちょっと温度差があったんだ。
確かに僕も好きな言葉だ。だけどなぜこんなに気に入ってくれてるんだろう、みたいなね。
だから、“騙される才能”という言葉を聞いた時に、やっと納得出来たんだよ。
自分の歌に気付かされるとは思わなかったね。
誰かを想い、まっすぐな嘘をつく。
誰かを想い、その人に騙される。
きっとそれが優しさなんだろうな。
次に「自由が丘で会いましょう」を歌うのがとても楽しみだよ。