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うたうたい 堺輝

毛!!!

2014.03.06 14:22

かなりの確率で

4時44分を目撃します。


あきらです。
こんばんは。

44秒まで揃った時はため息ついたね。



ひな祭りも過ぎた3月の今日、
雪が降りました。

やっぱり
あの歌を口ずさんでしまいました。




この曲、言わずと知れた名曲ですけど
どこがいいって




全てです。




まず歌詞。
無駄がない。

「汽車を待つ君の横でぼくは 時計を気にしてる」

この出だしだけで掴みますよね、心を。
しかもメロディに乗せた時、

「ぼくは」と「時計を気にしてる」の間に
一瞬の「間」が入ります。

歌って基本的に歌詞を見ながら聴くものではなく
耳で聴いた歌詞とメロディでイメージをしたりするものだと

僕は強く思っているんですが、

この「間」、とても大事だと思います。


ここにこの「間」が入ることで
「汽車を待つ君の横でぼくは」と聴かされた聴き手は

「ぼく」は何?って一瞬思うんです。
少なくとも僕は。

文字通りそこには
汽車を待ってる誰かの横にいる主人公がいて
フォーカスはその誰かから、主人公に移るじゃないですか。

そこで「時計を気にしてる」ですよ。

もうそこで絵がドンって引いて
ホームに立ってる二人が出てくるんです。

この「間」をつくることで
さらりとした場面を劇的な展開にしてる。

情景描写オンリー。

これに続いて
「季節はずれの雪が降ってる」と来ます。

ハイ来た、情景描写。
しかも「季節はずれの」と来た。

ってことは春先ですよ。
情緒的じゃないですか。

ついでに言うと、
「降っている」じゃなくて
「降ってる」となってます。

「降っている」だと、拍のアタマに音が収まってしまうので
若干単調になってしまうんですが、
「降ってる」だと、「る」の位置が前の拍にかかってくる為
メロディにスピードが出ます。

単調に聴こえないのは、こういうギミックがあるんです。

実はこの技、次のフレーズにも使われていて
「東京で見る雪はこれが最後ねと」の
「東京」って言葉が、前の拍から入るんです。

このフレーズが突然会話というか
最初に出て来た「君」の話した言葉であり
なんとなく不意をつかれる感じ、ありますよね。

時計を見ていた「僕」が
その言葉にハッとする感じが。

「つぶやく」という言葉のチョイスもグっと来ます。
「僕」にしか聞こえない言葉だったり
もしくは独り言のような感じだったり。


そしてBメロに入ります。
「なごり雪も降る時を知り」

歌詞で言えば、
この「なごり雪も」の「も」

英語で言えば「too」なんでしょうか。
他、だれ?

「降る時を知り」って
まるでその雪が、何かのきっかけを与えてるという描き方です。

擬人法ってやつですね。

ちなみに、ここのメロディの「を」の落ち具合が
とても艶やか。

そして一番好きなワード。
「ふざけすぎた季節のあとで」

このフレーズ、僕の中でキング・オブ・フック。
琴線とよく言いますが、
まさにその琴線を強く引っ掻かれる想いになります。

この言葉以上に見事なフックは
なかなか出会ったことがありません。

いつも一緒にいて、
当たり前のように「君」がいた日々を
なくすと知って初めて愛おしいと感じた「僕」の心の機微が
この一言に詰まってると思います。

だって、他の曲だと↑の書いたような言葉で
下世話な表現しちゃうじゃないですか。
いや、僕だって何度も書いちゃいましたし。

それが、この曲だとこの一言で現しちゃってるんですよ。
特に、「ふざける」という全般的に見れば否定的な言葉を使うことによって
聴き手の耳を引きつける強引さもあるんです。

ただし、この曲のすごいのは
このフックのフレーズのところで
メロディも同時にフックがかかってるってところです。

専門的な話はめんどいから避けますが
「ふざけすぎた」の「け」!!!

この「毛」!
うわ、勢い余って変換しちゃった。

「け」!!!

理論的なことを挙げればこれだけで酒飲めるんですけど
この際どうでもいいです。

グっとくる。
実にグっとくる。

このコード進行、
日本のポップス全般的によく使われるんですが
ここまで歌詞との相乗効果を出してる使い方をあまり見かけません。

ご多分にもれず僕も多用するんですが
これがなかなか。


ということで
いよいよサビです。
Bメロの最後で、「季節のあとで」と投げてました。
Bメロの話が完結してません。

正直、気になる。
「あとでなに?!」ってなる。


すると
「今、春が来て君はきれいになった」ですよ。

「今」ですよ。なう。

きれいになったなう。

「いまー」のところで
ドドーンて来ます。

「春が来て」と「君は」と「きれいに」の間に「間」があって
もったいぶられてるというか、
「で?で?」ってなる。

もう、「きれいに」の「に」で
「てにをは」マジックです。


「にーーー?!」って。



んで
「なった」
「君はきれいだ」じゃなくて、「きれいになった」ですよ。

知らないうちに「僕」から遠い存在になってしまったんですよ。

「去年よりずっときれいになった」って。
もう琴線ジャカジャカ。
涙腺ボロボロ。

このサビ、最後はマイナーのコードで流し切るんです。
メジャーに戻ってこない。

その為、余韻が残り
心臓の右心房と左心房の間辺りをキュってされた感じになります。
本当になってたら救心飲んでください。
それか精密検査。





うわ、一番だけでこんなに書いてしまった。
気づいたら一時間書いてます。


二番は、ご自身でどうぞ。


余談ですが
音楽番組でご自身の歌を歌われる方々で
ちょっとオリジナルからフェイクして歌われる方が多いなか

こうちゃんとレコード通りに歌われるイルカさんに
敬意を表するとともに

そこまで完成されたメロディを作られた伊勢正三さんに
驚愕させられます。



あ、全然関係ないですけど
ウチの沈丁花、咲きました。

寒さを堪えながらずっと匂い嗅いでました。



さみ。

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