いや、そこまでしなくてもって思ったけど言えない
高校時代に組んでたバンドがありまして、
ベーシストを仮にカズヒロとします。
ま、本名ですけど。
一年の時同じクラスなだけで
二年からは文系理系で分かれちゃったんですが、
その後も何かと付き合いのある奴でして
吹奏楽部で、ユーフォニウム吹いてる奴だったんですけど、
これがまた
真面目なのか馬鹿なのか
いや、すげぇいい奴なのはいい奴なんですけど、
ゲスな部分はドン引きするくらいゲスで。
たまに本気で友達やめたくなる時あったくらいです。
バンドやろー!
おー!
ってなった時に
世の常というか、ベーシストがいなくて
暇そうにしてたカズヒロを誘ったんです。
快諾でした。
多分、なんにも考えてなかったんだと思います。
半分騙して
サンダーバード買わせて、

↑コレ
「これ、すっげぇ重い…」って言ってるのを無視して
弾いてるのを見てたんですけど、
サンダーバードって
普通のベースよりもヘッドが重くて
いわゆるヘッド落ちっていう感じになることが多くて
支えてないと、ベースの先っちょが
ガクンと下がっちゃうんですよね。
そんなにタッパのある奴じゃなかったから、
サンダーバードと同じくらいの身長で、
パッと見、「+」みたくなってて
我ながら不憫に思ってました。
そういうとこ、僕もゲスですけど。
ともあれ、
最初に手を付けた曲が
クリームのクロスロードで、
僕はバッキングギターと歌の予定でした。
既に二回あるギターソロは
秀ちゃんが完コピしてたし、
ドラムのしょうたろは
頭打ちのリズムを誰がどう聴いても手抜いたろっていうアレンジしてたし
カズヒロもそのていで
無難なブルース進行で合わせてくるだろうって思ってたんです。
ところがあいつ、
馬鹿なのか真面目なのかの
二つ同時に発揮しちゃって、
完コピしてきたんです。
「これ、音符多過ぎやって…」とか言いながら
弾いてました。
一曲通して、ほぼソロみたいなあの曲を。
今更、手抜いていいよ的なことも言えないし、
ほめたら子犬のように喜んでたので、
そのままにしときました。
ジャックブルース氏の訃報を聞いて、
カズヒロ思い出したんです。
奴、元気かなぁ。
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