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【2022年夏特集】⑤住宅など小規模建物でも手軽に地中熱利用できる地中熱採熱技術~日さく、PEC

2022.07.13 00:37

◆住宅など小規模建物でも手軽に地中熱利用できる地中熱採熱技術を◆

◆日さくとPECが鋼管杭を活用した地中熱採熱技術を開発◆

小規模建物でもなるべく手軽に地中熱利用を――。日さく(さいたま市大宮区桜木町4-199-3、若林直樹社長)、PEC(埼玉県桶川市加納873-2、遠藤康之社長)は、住宅等で使われる鋼管杭を活用した地中熱採熱技術の開発を進めています。一般的な地中熱採熱方式であるボアホール式では「採熱のための専用孔」の掘削が必要になりますが、今回の工法では、住宅基礎杭と採熱孔を兼用することで、イニシャルコストの低減につながることが期待されます。

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◆住宅や法人の会議室、応接室等の部分を対象とする冷暖房に◆


この技術開発は、PECが企画立案および施工、日さくが杭基礎管頭製作・熱応答試験・データ整理を担当しています。


具体的には、住宅や守衛室などの小屋、法人であれば会議室や応接室などの部分を対象とする5~10kW程度の規格のヒートポンプで対応できる空調施設での採用を視野に入れています。


実際の建物では、埼玉県桶川市内にあるPEC事務所(約60m2)で2019年7月から実証実験が行われました。


地中熱採熱杭は、深さ10m×5本の鋼管杭にシングルUチューブを設置し、ヒートポンプは定格加熱能力 6.0kW、定格冷却能力 5.0kWのヒートポンプを使用し、事務所室内の冷暖房を行って設備の能力などを検証しています。


実証実験の概要によると、熱応答試験(TRT)の結果、深さ10m×5本の採熱孔からの採熱量は2.1~6.6 kWと試算。これは実際に使用しているヒートポンプの規格と比較すると小さい値になることから、循環する不凍液の温度は2.0~55.9℃と大きく変化することになり、採熱量と比較して空調負荷が過大であることを示していたため、採熱杭の近傍にある井戸で地下水を揚水することで、地下水の流れを人為的に作り出して採熱効果を上げる工夫を施すなどしています。この成果から、実際の運用に当たって、対象地の状況に応じて採熱杭の本数を増やすなど柔軟な設計を行うノウハウも蓄積しています。


課題としては、採熱孔が住宅の下になってしまうことで配管や維持管理がしにくくなる点などを従来工法と比較で挙げていますが、この辺りの課題解消に向けた検討も引き続き進められています。


◆採熱孔設置工事の時間の短さもポイント◆


実証実験で目を引いたのが、採熱孔の設置工事の時間が短い点です。鋼管杭打設工事に1日、配管工事に1日と短い時間で設置でき、建物の新設等の工程において大きなアドバンテージとなりそうです。


◆7月20日から始まる「第3回地盤改良展」(東京ビッグサイト)でも紹介◆


なお、日さくは7月20日(水)~22日(金)の3日間 、東京ビッグサイト東展示棟で開かれる「第3回地盤改良展」(主催:一般社団法人日本能率協会)に、三陽電工と共同で出展し、小規模建物向けの鋼管杭を活用した地中熱採熱技術も紹介する予定となっています。

第3回地盤改良展(https://www.jma.or.jp/mente/tokyo2022/outline/ground.html)

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