紋様染め サラサドウダン
2022.07.14 03:50
(2022/6/23 秋田駒ヶ岳)
更紗灯台(さらさどうだん)
ツツジ科ドウダンツツジ属/落葉低木
「更紗(さらさ)」とは、インド発祥の木綿に多色で紋様を染めた布のことで、人物や花や鳥獣等をモチーフにした鮮やかな模様が描き込まれている。紀元前2000年頃から既に作られていたというから、中々長い歴史を持つもの。その特徴は、予め色を染めた糸を織り込んで柄を作る織り物ではなく、白い布に染めの技法で柄を描きこんでいる染め物だというところで、後に日本でも友禅染め等の元となった。
「サラサ」の語源は、「美しい」を意味するヒンドゥー語説、「本質を含んでいる」を意味する古代インド語(サンスクリット)説や、ポルトガル語説など諸説あり。
次に「灯台(どうだん)」だが、これは読んで字の通り、”灯台(とうだい)"が由来で転訛したもの。このツツジの木の枝の広がり方を、昔のかがり火に使われた「結び灯台」(↓)の、3本の丸棒を縄で結んだ部分から広げた姿形に喩えてつけられた。
結び灯台のように三叉に広がる枝
(2022/6/23 秋田駒ヶ岳)
釣鐘型の、”更紗”紋様のような色柄の花を咲かせる”灯台躑躅”なので、『更紗灯台(さらさどうだん)』。”躑躅”は省略される。
”更紗”の名前の元となった花の色は紅白色で、白地の花弁に縦に筋が入り、先端部半分を鮮やかに赤く、まるで染め上げたかのようなのが特徴的。
花期は初夏6~7月。背丈は2~3m程で、亜高山帯の岩場に生える。
花言葉:明るい未来/喜び溢れ
花と同様、明るい言葉が並ぶ。