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不耕起栽培をしていると、自然の偉大さを感じます

2022.07.14 07:08

Facebook内田 美穂さん投稿記事 ·

私は、自分の健康の為に、無肥料無農薬の自然栽培を始めました🥕🧅

ウクライナの肥料不足で、世界的に食料危機になるのではとのニュースで、より自然栽培の大切さを感じました。

肥料に頼った野菜は、肥料がないと育たない。

自然栽培なら、肥料なくても野菜は育つ。

今から野菜を育てておけば、どんな状態になろうとも、自分が困る事はない。

例え、食料がなくなったとしても、家族も守っていける。

土地がなかったら、まずは今出来ることから、プランターで種をとればいい。

固定種を5年繰り返しそだてると、遺伝子から代わり、先祖替えといってどこでも育つ、強い種になる。

種も輸入に頼ってる日本だから、いつもあるとは限らない。

最悪を考え、いつも行動する事が、大事だなぁと考えます🌈


不耕起栽培をしていると、自然の偉大さを感じます✨

夏になると雑草は、私の、背丈ほど伸び、土が乾燥、砂漠化するのを防いだり、夏の暑さや日照りから野菜を守ります。

雑草が伸びて、野菜が、どこにあるかわからない状況でも、夏が終われば、雑草が枯れ始め、秋には自然に、野菜が姿を見せはじめます。

雑草があることで、雨水もろ過されキレイになって、飲水や川、海がきれいになります。

草や木が空気を清浄化したり、自然と地球環境も良くなります。

全ては、人が快適に過ごせるように自然界にすでに、仕組まれています。雑草の存在はとても大きいものです。


https://yuki-hajimeru.net/?p=1092 【不耕起栽培から見えてくる「土の力」】より

不耕起栽培とは、「作物を栽培する際に通常行われる耕耘や整地の行程を省略し、作物の刈り株、わらなどの作物残渣を田畑の表面に残した状態で次の作物を栽培する方法」と定義されています。不耕起栽培は耕起栽培に比べて、作業時間が短縮でき、省エネルギー的であるなどの長所があり、しかも畑地に生息するミミズ、ヤスデ、クモなどの土壌動物群集が豊かになります。いっぽう、初期生育の遅れや減収などの短所も指摘されています。

ここでは、農薬を使用せずに不耕起栽培を継続することで、土壌(黒ボク土)や作物の収量・品質にみられる変化について紹介します。

不耕起栽培の継続が畑土壌や作物に及ぼす影響

①土壌環境が改善される

不耕起栽培の継続によって、作物残渣などの有機物が土壌表面に集積され、有機物に富んだ層が形成されました。この有機物の集積層は、土壌生物の餌であり住みかとなります。そして、細菌、糸状菌、原生動物など顕微鏡でなければ見ることができない生物からミミズ、ヤスデ、クモなど肉眼で見ることができる動物まで多種多様な土壌生物が増加します。これらの土壌生物が生活することで、有機物の分解や土壌の団粒化が進みます。そして、植物(作物)が生育しやすい環境に土壌が改善されます。

すなわち、耕耘のたびに土壌環境が更新される耕起栽培とは異なり、不耕起栽培ではその年の管理が次年以降にも影響し、安易に効率化できない「生物による時間の蓄積」がみられます。継続することによってこそ、不耕起栽培の真価が発揮されるのです。

[慣行栽培の耕耘による表土の風食(長野県中信地区)]

②収量・品質は年々良くなる

土壌を耕耘すると、有機物や肥料が土壌とかき混ぜられ、土壌微生物と有機物や肥料の接触面が増加することで、養分の無機化(窒素の硝化など)が促進されます。また、作物の根も伸びやすいため、不耕起処理に比べて、耕起処理で生育・収量が勝ります。 しかし、不耕起栽培を継続すると、年々収量が増加しました(図2)。これは年々蓄積される有機物(養分)が、年々豊かになる土壌生物のはたらきによって、作物が利用しやすい状態になるためです。しかも、作物の利用量が増加したときには養分の無機化が進み、利用量が低下したときには、余剰の養分を土壌生物が利用することによって再び有機化が進んで、養分の微調整が可能な土壌環境になります。したがって、作物の養分過多による病害虫の発生が抑制されるとともに、品質も向上します。

土壌生物相が豊かになるとコガネムシの幼虫などの植食性の動物(害虫)もみられます。しかし、それ以上にクモ、ムカデ、ハネカクシなどの捕食性の動物(天敵)が多くみられました。したがって、生物全体に占める害虫の割合は不耕起処理の方が低くなり、作物への被害も軽減されます。

③異常気象に強くなる

04年は、9、10月にたび重なる豪雨にみまわれました。なかでも、台風23号に伴う豪雨(10月19-21日)は、160mmを超える降雨量(松本測候所調べ)となり、一時は畑全体が冠水しました。降雨後の土壌の三相分布を測定したところ、深さ0-10cmの土壌で、不耕起処理の固相率と液相率は耕起処理に比べて低く、気相率は高くなりました(図3)。このような測定をしなくても、土壌表面に播種溝を切ったときの土壌の乾き方や定植時の植え穴に灌水したときの水のたまり方をみれば、不耕起処理の方が水はけの良い土壌になることが明らかです。耕耘をしないことによって、毎年蓄積される動物があけた孔道や根穴由来の孔隙が発達することも関係していると考えられます。

この年のダイコンは、不耕起処理で欠株が少なく、耕起処理の2.6倍の収量がありました(図2)。土壌の物理性が改善されたことが豪雨による湿害を軽減したと考えられます。

不耕起畑土壌の観察が「土の力を知る」決めて

科学技術の発達によって、作物や土壌のしくみについて、多くの情報が蓄積されてきました。土なしで野菜を育てる養液栽培が行われるなかで、「土はなくても作物の栽培は可能」と考えている方もおられると思います。しかし、土は単に作物を支えているだけの存在ではありません。そこには多種多様な生物が生活することで、時間をかけて形成された複雑なしくみと多様なはたらきがあります。常に人為の影響を受ける畑地においても、生きものが育む豊かな生態系が形成されることで、持続性のある安定した農業が成立します。

一般に行われている耕起栽培では、耕耘によって作土層を画一化することで多様な自然のしくみやはたらきを「見えない状態」にしています。まず、小面積から不耕起栽培を実施し、土壌物理性(土壌の団粒化、水はけなど)の変化やそこで生活する土壌動物をとおして、畑に本来そなわっているはたらきが実感として「見える状態」になることが大切です。そして、それを観察(自然のしくみを読み解く努力)する栽培者によって、初めて「土の力」が認識されるのです。

土壌や作物を主体とした栽培法を創造しよう

作物を栽培するうえで、必ずしも不耕起栽培が良いとは限りません。耕起法はあくまで手段であり、年々変化する土壌の状態を観察しながら、栽培作物や土壌条件にあった方法を探ることが大切です。

今、行っている栽培法の利点、欠点をよく検討したうえで、人間の目先の利益のみを優先した栽培法から作物とこれを支える土壌や生きものの状態まで考慮した栽培法に組み変えるべきです。そして、これからの百年、千年を見通した持続性のある栽培法を採用すべきです。それこそが、私たちの暮らしやすい環境を保障し、人間にとっても大きな利益をもたらすことを確信しています。

※この文章は「ながの農業と生活」 Vol.514 より、著者の承諾を得た上で掲載しております。


https://agrijournal.jp/production/64266/ 【土壌を豊かにし、環境を再生する不耕起・草生栽培|日本での現状と、普及への道筋とは?】より

気候変動をはじめ、環境問題のソリューションとして注目されるリジェネラティブ農業。その最大の特徴が、不耕起だ。土壌生態学をベースに不耕起・草生栽培の研究を続ける、福島大学の金子信博教授に話を聞いた。

アメリカで普及する不耕起栽培。

日本との違いとは?

「土壌中には、大気の2倍から3倍に相当する炭素が土壌有機物として貯えられています。不耕起栽培によって、土壌中に二酸化炭素を貯留し、さらに土壌炭素を年間0.4%増やすことができれば、大気中の二酸化炭素上昇を相殺できる計算になります」。

そう話すのは、福島大学で土壌生態学を教える金子信博教授。「不耕起栽培こそ世界の最先端の農法」と考える、日本における不耕起栽培研究の第一人者だ。いち早く普及が進むアメリカでの不耕起栽培の現状を、金子先生は次のように語る。

「アメリカの農務省のデータを見ても、大規模農業では不耕起と耕起は約半々の割合。アメリカでは、一部を耕す部分耕起、数年に一度だけの省耕起による管理など、耕さないという方向に大きく変わってきています。

普及が進む理由は、農家の収益が上がるという点も大きい。不耕起を採用することで、土壌の流出や、乾燥地での土壌水分の減少などの土壌劣化を抑制することができます。そして、もう一つは明らかに省コスト。耕す回数が減れば、燃料代と時間を節約でき、収穫量がそのままなら、利益率が高まるというわけです」。

見渡す限り耕された、インドネシア・ランプン州の大規模なサトウキビのプランテーション。ここでは、土壌劣化により約30年で3割程度収穫量が減少している。

一方、日本では不耕起を実践している農家は全体のわずか数%と未だ少ない。普及が進まない理由について、「日本では、“耕さないといけない”という考え方が根強い」という意識や文化の違いのほか、農業スタイルの違いも大きいと金子先生は言う。

「不耕起では放っておくとどうしても草が生えますが、アメリカの場合は、強力な除草剤と除草剤で枯れないようにした遺伝子組み換え作物をセットにして農業ビジネスをしてきた背景があるため、不耕起でも草の管理がしやすいという面があります。

遺伝子組み換え作物を使えない日本では、そのやり方は採用できません。アメリカやヨーロッパに比べ、モンスーン気候の日本は、7~8月にすごく草が生える。このことも、不耕起がダメだと言われる原因になっていました」。

近年アメリカで開発された有機の不耕起栽培では、大型トラクターを使い、ライ麦を高速で押し倒すと同時に、不耕起の播種機で大豆の種子を蒔く。ライ麦がマルチになり雑草の発生を抑えるためあとは収穫をするだけ、という具合だ。確かに、こうした農法を国土の狭い日本で転用するのは難しいだろう。

ネパール・カトマンズ郊外の不耕起草生試験地。試験開始後から3年目の様子。もとは地面の高さが同じであったが、左(不耕起草生)より右(耕起)が低くなった。耕起区では土壌浸食が生じるが、不耕起区では生じない。

自然農や自然栽培という

日本独自の不耕起・草生農法

しかし、日本の気候や環境に適合した不耕起栽培は実現できるというのが、金子先生の持論だ。その具体策のひとつが、近年、全国に実践者が増えつつあるという、自然農や自然栽培をベースにした不耕起・草生農法だという。

「アグロエコロジーという概念が、世界でも浸透しつつありますが、日本の自然農は、土壌の生物多様性を保全し、土壌の機能を高めるためには理想的な方法であり、その最先端にあると思います。

不耕起栽培は、除草するのではなく、草を資源としてうまく活用し農地の土壌を育て守る草生栽培と組み合わせることが重要です。諸外国ではカバークロップを用いますが、自然農のように雑草を活かすのは、日本ならでは。極めて仏教的というか自然調和的です。

植物の多様性を維持するために、複数種類の種子をミックスしたカバークロップの研究が盛んですが、その究極の形が自然農のような雑草共生。

雑草は農業の宿敵と見なされがちですが、耕すことによって、作物と競争するような種類が生えます。不耕起にすると、雑草も作物もお互いの成長を邪魔しない植物相になっていく。つまり、草が生えても収穫量は落ちない。自然は、本当によくできているんですね。とはいえ、その領域に到達するまでは大変なので、最初は有機栽培でライ麦などをカバークロップとして播くことをオススメしています」。

ライ麦を刈らずに押し倒した草マルチ。この後、不耕起で果菜を栽培する。

不耕起・草生栽培のメリットは大きい一方、管理方法が確立するまでに手間が掛かるのも事実。家庭菜園や小規模農業ならともかく、安定した農業経営を前提にした上で普及を進めていくには、専用の農業機械の開発が待たれる、と金子先生は指摘する。

「農業経営する立場からすると、乗用の機械で管理ができるようにならないと収益を上げるのは難しい。とはいえ、アメリカのような大型機械は日本では使えませんし、そのまま小型化しても構造上、実用は難しい。メーカーに作って欲しい機能は、草を刈ってそのままマルチとして置け、同時に不耕起播種できるもの。オーダーメイドで作るという手もありますが、一般販売をするメーカーでの開発が待たれます」。

福島県二本松市「あだたら食農School farm」の不耕起草生区。9月に草を刈る前に、アブラナ科の各種野菜の種子をばらまき、その後に草を刈るだけで野菜が育つ。

智恵を持ち寄りながら

地域ごとの不耕起・草生農法の確立へ

とはいえ、機械やアイデアが揃ったところで、管理している圃場を一気に不耕起へ転換するのは、農家にとって無謀な挑戦だろう。まずは、ひと区画から試してみて、他の畑とも比較しながら、有用性や実現性を検討してみるのが現実的だ。

実際、金子先生は研究活動の一環で、昨年から福島県二本松市の有機農業圃場の一画で不耕起栽培をスタート。同じ条件下で、耕起栽培、不耕起栽培によるデータ比較を継続しているという。

「1年目の春作は、不耕起・草生栽培では耕起栽培の1/3くらいの収穫量でした。でも、耕さないのでかかった労力も1/3くらい。ビニールマルチや堆肥を買う必要もないので、資材費も安かった。ちなみに、不耕起・草生栽培では、土壌が年々良くなっていくはずなので、今後、収穫量は増えていく計算です。

また、個人の感覚としては不耕起の方が味が濃く、後味がいいです。比較データをとるうえで、当然、収穫量や売上も大切ですが、コンセプトとして大事にしているのは、資材費や労働時間も比較するという点。トータルな視点から、安定した農業経営を実現する方法を研究しています」。

金子先生が推奨する、アグロエコロジーをベースにした不耕起・草生栽培では、豊かな土壌生態系の構築を目指し、化学肥料や農薬を使用しない有機農業を前提としている(さらにその先には肥料そのものを使用しない、自然農、自然栽培が道標にある)。

とはいえ、慣行農業であれ、不耕起栽培のメリットを享受できる方法もある、と金子先生は提案する。

「地面をできるだけ裸にしないようにし、さらに輪作、混作をすることです。そうすることで、有機栽培であれ慣行栽培であれ土の状態が向上します。土壌が豊かになれば、肥料や農薬も減らせますし、農家の収益は上がります。大事なのは、無理なく転換していくことだと考えています」。

アグロエコロジーを学べる福島県二本松市の「あだたら食農School farm」。参加者全員で、1年の振り返り。

その萌芽はあれど、日本における不耕起栽培の技術は、まだ発展途上段階にある。今後の発展のためには、農家同士が智恵を出し合い、実践しながら学べる場(コミュニティ)が必要と捉え、金子先生は、現役農家も対象にした大学院を計画中だという。

「慣行、有機、自然栽培とどんな農法であれ、互いが排他的になってはいけない。決して相手方のやり方を否定せず、失敗も共有しながら、みんな一緒にやろうという姿勢は、農業界全体のためにとても大事だと考えています。

農家が学べる場以外にも、各地域で市民参加型の実証農場を共有し、専門家が支えるという体制を、自治体を巻き込んで作ることも必要でしょう。全国一律にはできないので、智恵を持ち寄りながら、その土地に合った不耕起・草生栽培の手法を進化させていく仕組みが必要と考えています」。