レビュー「君に読む物語」パートナーシップをテーマにした映画の中でも、屈指の名作。
「君に読む物語」パートナーシップをテーマにした映画の中でも、屈指の名作。
パートナーが教えてくれて初めて一緒に見た(レンタルだけど)想い出の映画なんだけれど、仮にそれを抜きにしても今では僕がもっとも好きな映画の一つ。
ありがちな純愛ものかと思いきや、「君に読む物語」ってそういうことだったのか!っていう終盤の意外な展開から、なんていうんだろう、ことばにならない感動のラストまですごいです。
若い男女が困難の末結ばれました、めでたしめでたし、で終わらないところがね、ほんとたまりません。
この映画何がいいって、誰もが真剣に、自分の中にある愛にどうにか忠実であろうとしているところ。誰もが大きな愛を持っていることを疑いなく描いていて、だからこそ大きな痛みがあって、だからこそとてつもない愛の経験があるってことを描いているところ。人間って、こういう存在だと僕は知っている。
これ、もうちょっと人間の愛を信じていない世界観に生きていたら、こんなに痛くもないし、こんなに深く愛を感じもしないだろうって思う。
そしてここに描かれる愛をほんものとみるには傷つきすぎてる人の中には、こんなの作り話だとか、いろんなこと言って直視できない人もいるんじゃないかなとも思っちゃう。もしかしたら僕もそうであったかもしれないと思うもん。
そしてAaron Zigmanによる音楽がいちいち最高に美しいです。
このYoutubeの動画の曲の3:257あたりからの、映画のテーマのフレーズを聞くたびにやばい。
印象的なシーンもたくさんあるんだけれど、自立した二人が出会うための決定的な会話があります。
主人公の男性ノアが、迷っているアリーに対して、「What do you want ?」と繰り返し問うシーン。他の人がどうとかじゃなく、「あなた」はどうしたいのかって、何度もそこにたちかえらせようとするのね。そしてその時は、アリーは「そんな簡単なことじゃない」とかいろいろいいながら、「I have to go (あたし、行かなきゃ)」って答えて去ってしまう。
でもそのあと、問いがずっと巡ってその答えを自分の中に見つける。
そうなったら人生は必ず開けるんだよなって思います。