いのちはなぜ重い?
相模原障害者無差別殺傷事件からもうすぐ3年が経とうとしています。
元施設職員である26歳の男が施設に侵入し、刃物で入所者19人を刺殺。入所者・職員の計26人に重軽傷を負わせた凄惨な事件。
第二次世界大戦後、日本で発生した殺人事件としては最も多く、戦後最悪の大量殺人事件として社会に衝撃を与えました。
今回の事件について、学校での取り組みのアンケート調査がNHKで報道されていました。
事件後、学校教育の取り組みを強化した学校は58%
取り組み内容は
・人権教育の取り組みを充実させた
・障害のある人を招く機会を設定した
・生徒が障害者と交流する機会を増やした などでした。
しかし、今後の取り組みについては約7割の学校が事件には直接触れないようにするとのこと。
事件に触れない理由のひとつは、「あまりにも凄惨な事件で心の傷などを考えるととても難しい」と子供に与える影響を懸念しているようです。
どの教育者も同じ気持ちではないでしょうか。これだけの衝撃を与えた今回の事件、先生としてどう扱えばいいのか、とても難しい問題だと思います。
しかし、それは当たり前のことなのです。なぜなら、この事件の根底には「なぜ人の命は地球よりも重いのか」という、どの哲学者も答えられない問いがあるからです。
カリフォルニア大学の教授フィリッパ・フットは「なぜ命が尊いか、説明できた哲学者を私は知らない」と論文・道徳的相対主義に書いています。
犯人である男は以前から父親に「生きる意味は何なのか」聞いていたとニュースでやっていました。
自分の生きる意味がわからないので、生きていることに感謝ができない。命を尊いものだと思えないから、人の生命も尊重できない、そういう心情ではないでしょうか。
もちろんこのような事件は決してあってはないことです、殺人鬼のしたことは到底許されるものではありません。
しかしながら、この殺人鬼と同じ疑問(なぜ人命は尊いのか)を、私たちも持ってはいないでしょうか。
自殺をする人は毎年3万人弱に及びます。みんな、苦しみを耐えて生きていく目的がわからない、命の目的がわからないからではないでしょうか。
まずは大人である私たち自身が、この問いの重さを認識しその答えを明確にする必要があるのです。自分がわからなければ子どもにも自信をもって教育することはできないでしょう。
私はこの事件を通じて、この事件の根底にある問いの重さを生徒と共に考えるきっかけとなれば、今後の教育に事件をとりあげてもいいのではないかと思います。
この事件、決して触れないでおける問題ではないと思いますから。
じゃあ、命の目的ってなに?なんで人命は地球よりも重いって言われるの?
実は過去にこの答えを見つけ、それは言葉で残されています!今後、紹介できればと思います。