第2回十字軍3カリスマ、サンベルナール
2018.01.27 09:42
第1回はウルバヌス2世の演説が成功したが、第2回はそれにも勝る人物がひっぱり出された。サン・ベルナールことクレヴォーのベルナルドゥスである。彼はクリュニーにかわりシトー会修道院を押し上げたカリスマ、12世紀を「聖ベルナルドゥスの世紀」というほど、広範な影響力を発揮した。
シトー会は、聖ベネディクトの原点に帰れと、禁欲と労働の厳しい戒律をつくった。しかしブルゴーニュでは人気がなく、少ない修道士は一人また一人と死んでいった。院長が神に問うたところ「もうすぐ男が来るというお告げ」。程なくベルナールが来た、自分だけではなく、30人の男を説得して連れて。
痩せ、禁欲を熱烈に説く彼は、すぐカリスマとなり、民衆は見て聞いて触りたがった、何せ触れると病が治るというのだから。彼は贅沢になったクリュニーを食事に至るまで細かく批判「とても全部たべられなかった」と書いているが、彼は生来胃弱だった。シトー会はさらに森の奥地を開墾し、教皇を出すまでの勢力となる。
ベルナールは結局ひっぱり出された。ヴェズレーにルイ7世も来て演壇が据えられ、ベルナールの演説が終わると、皆「十字軍へ!十字軍へ!」と叫び、演壇に押し寄せた。数日後「町も村もひとけがなくなった」と彼は教皇に書き送っている。ベルナールは教会分裂を修復し、膨大な著作を残した。しかし彼の意に反して、クレヴォーは大きく増築された。
下は十字軍の演説をする聖ベルナール