Okinawa 沖縄 #2 Day 197 (19/07/22) 旧宜野湾間切 (12) Shimashi Hamlet 志真志集落
旧宜野湾間切 志真志集落 (しまし)
- 村屋跡
- ナガモーガー
- 志真志公園
- イチビントガー
- アザマガー
- チニングヮーガー
- チブ川(チブガーラ)
- 道田井 (ドウタガー)
- 志真志ハイツ集会所
我如古集落に続いて、志真志集落をめぐる。志真志集落は小さな屋取集落だったので、拝所などはほとんど存在しておらず、ゆっくりとポタリングで巡る。
旧宜野湾間切 志真志集落 (しまし)
志真志の人口の動向については、行政区として消滅してしまい分割されているので、志真志地域だけの人口は独立行政区だった時代のものしか残っておらず、そのデータは我如古集落の人口に表示している。それによれば、当時は我如古集落人口よりも少し少ないぐらいだった。
集落民家の分布図を見ると1919年の地図では民家は表示されておらず、集落を形成するほどの民家の集まりはなく、民家が点在していたと思われる。戦後は地域西の国道330号線付近に民家が集中し、1990年以降は西に民家が拡張し、沖縄自動車道の東に住宅街が造られ、更に琉球大が移転してきてこの地域が発展している。
他の屋取同様、拝所は少なくイチビントガーのみが産井 (ウブガー) として拝みの対象となっていた。 集落としての主な年中行事は、旧暦2月2日の腰憩い (クシッキー) だけだった。葬式で使う龕を所有していなかったので、 我如古から借りていた。墓は、イシグックやガニクヌクシヌヤマ (我如古の後の山) などにあった。琉球王統から明治にかけては我如古ン一部だったので宜野湾ノロの管轄地域ではあったが、村としての祭祀自体がなかったので、宜野湾ノロとは無関係だっただろう。
志真志集落訪問ログ
村屋跡
志真志は我如古に吸収されてしまったので、現在は公民館は存在しない。行政区となっていた時期には、この場所あたりに村屋が置かれていた。かつての集落の中心地で高台になる。
ナガモーガー
村屋跡の南側にはナガモーと呼ばれた山林があり、そこにはナガモーガーと呼ばれる井泉があったそうだ。現在はアパートが建ち、駐車場になっており、井泉は消滅している。
志真志公園
村屋跡から南側に降った所に志真志公園公園がある。この公園で暫く休憩を取る。この辺りには幾つかの井戸があったのだが、どれ一つとして現存していない。志真志集落は水の豊富な地域で、各家で井戸を持っていた様で共同井泉は少なかったそうだ。
イチビントガー
公園の脇に水タンクがあった。多分ここがイチビントガーがあった所と思われる。昔は立派な石造りの井泉だったそうだが、現在は埋没している。
アザマガー
公園の北側の斜面にも井泉があったそうで、アザマガーと呼ばれていた。この井泉も消滅している。
チニングヮーガー
かつての志真志集落から沖縄自動車道を渡った所にチニングヮーガーと呼ばれた井泉があったそうだ。自動車道の建設で消滅してしまった。窪地に水が溜まっていたという。かつてのチニングヮーガーの近くには水路があった。
チブ川(チブガーラ)
沖縄自動車道を渡ると、アカミチモーと呼ばれる場所がある。この辺りは、もともと聖地であり、道田井 (ドウタガー) から清流が流れていたチブ川(チブガーラ)だったが、琉球大学がこの地に移転してきた際に、大学敷地内となり、手入れがされなくなった。雑草で覆われてゴミ捨て場になっていたのを、見かねた地元の有志が2010年にチブ川保存会を結成し、手入れを続けてせせらぎを取り戻している。文化財が残っていない志真志では、唯一の見どころの場所だ。
春にはオクラレルカやクメノサクラの花が咲き、チブ川保存会主催でオクラレルカ祭が行われている。
道田井 (ドウタガー)
チブ川(チブガーラ)沿い、公園の道を奥に進んだ所に源流の道田井 (ドウタガー) がある。水は澄んでおり、ボコボコとそこから水が湧き出ていた。
志真志ハイツ集会所
チブ川(チブガーラ)の向かい側に広場があり、子供達が元気よく遊んでいる。こちらを見つけると、元気よく挨拶をしてくれた。ここは、志真志ハイツという住宅地で、高層マンションが建っている。その集会所がこの広場内にあり、隣は学童クラブになっており、放課後の小学生の面倒を見ている。いる。
まずは琉球大学構内を突っ切る。構内なのだが、一般道路になっている。信号もある。
琉球大学を過ぎるといよいよ降り坂。何時間も炎天下の中ポタリングした後で疲れは溜まっている。ペダルを漕がないで、何キロも降り坂は楽ちんだ。坂道を下ると湾の向こう側に、何度も通った知念半島が見えている。夕方7時前に帰宅。今日も一日中炎天下での集落巡りだった。
参考文献
- 宜野湾市史 第5巻 資料編4 民俗 (1985 宜野湾市史編集委員会)
- 宜野湾市史 第8巻 資料編7 戦後資料編 (2008 宜野湾市史編集委員会)
- 宜野湾市史 別冊 写真集「ぎのわん」 (1991 宜野湾市教育委員会)
- ぎのわん市の戦跡 (1998 宜野湾市教育委員会文化課)
- 宜野湾 戦後のはじまり (2009 沖縄県宜野湾市教育委員会文化課)
- 沖縄風土記全集 第5巻 宜野湾市・浦添村編 (1968 沖縄風土記社)
- ぎのわんの地名 (2012 宜野湾市教育委員会文化課)