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沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一 (角川文庫) 夢枕獏

2018.01.28 08:17


夢枕獏が描く弘法大師空海である。

 

空海がまだ密教を灌頂される前、恵果阿闍梨から密教の正統を引き継ぐ前の話である。

 

密教を盗みに唐に渡った空海が、その才を発揮し世界最大の都長安で起こる不可思議を解決するミステリーファンタジー、である。

 

確かに空海と橘逸勢の組合せは、陰陽師の二人に被る。

しかしコチラの空海には、不完全な超越者の親近感を感じる。

 

日本で雑密を学び天賦の才を既に発揮しながらも、その器は満たされてない若き空海に、安倍晴明とは違い、人間を感じる。

 

 

作中の空海曰く、曼荼羅だな。


この場合の曼荼羅とは、胎蔵会曼荼羅の事と理解した。

根本仏大日如来の仏心が宇宙に蔓延する様子を現した胎蔵会曼荼羅。

400体余描かれる諸尊は如来菩薩明王天と分かれているが全ては大日如来の、一心。

 

作中の空海曰く、違うと言えば違う。同じと言えば同じ。

あらゆるものが、その宇宙の原理で貫かれているのだよ。

それが曼荼羅ということだ。

おもしろいと、俺はいっている。

 


確かに全ては曼荼羅と観ずれば、宇宙の全ては面白い。

起こる事の全ては、大日如来の一心。


違うが同じ、である。

 

 

 

沙門空海。

巻の1物語末で、賢しい事はしないほうが良いと悟らされます。

事件は、沙門空海の予想より根深い様相を呈します。

 

若き天才沙門空海は、事件を解決出来るのか。

密教の正統はどう灌頂されるのか。

そして、猫の正体は。


巻のニを楽しみに読み進めたい。