Nikkor-P・C Auto 105mm F2.5
このレンズは1970年代の前半に販売されたとのことである。
非AIタイプ、いわゆるAI連動用の突起を絞り環に備えていないタイプである。そのため大半のニコンのデジタル一眼レフには取り付けられない(Dfは取り付け可能。)。
筆者も取り付けられるボディを保有していない。作例はマイクロフォーサーズのカメラで撮影している。焦点距離は約2倍(210mm)となっている。
このレンズは、絞り開放からピントの合った面はとにかく解像感があり、収差が少ない。
ピント面の前後は、収差が多めながら(輪郭にグリーンの縁取り状の収差が派手に現れる)、自然な感じで溶けるようにぼけていく。はっとするような立体感ある写真が撮れる。
古いレンズであるがマルチコーティングが施されている。ヌケがよく高コントラストである。
筆者は他にAI Nikkor 105mm F2.5s(スーパーインテグレーテッドコーティング)も所有している。これと比較してみたところ、解像感、収差の出方などのほとんど性能は変わらなかった。色味は明らかに違っており、AI Nikkor 105mm F2.5sは樹木の葉が暗く青味がかった写りになった。
ニッコール千夜一夜物語(第五夜)によると、ニッコールオートからいわゆるAI-sまで、レンズの構成はほぼ同一とのことである。色味以外の写りにほとんど差がないのはうなづける。105mm F2.5に関しては必ずしも最新のタイプにこだわる必要はないかもしれない。
むしろ発色に関しては、AI-sタイプよりもニッコールオートの方が好みである。
【スペック】
レンズ構成: 4群5枚 (レンズタイプ:クセノター)
最小絞り: 32
フィルターサイズ: 52mm
最大径×全長: 66mm×78mm
重量: 435g
フード: HS-4
価格: ¥30000
作例1 絞りf2.5
作例2 絞りf2.5
作例3 絞りf 4