「花は桜木 人は武士 柱は檜 魚は鯛 小袖はもみじ 花はみよしの」の意味
ことわざ「花は桜木 人は武士」
諺(ことわざ)としてよく知られているのはこのフレーズまで。どちらも散り際の美しいということで謳われています。春の桜の散り際、武士の誇りのために死ぬ姿、終末主義の日本人の胸を打つその振る舞いに江戸の人々を心を震わせたようです。
実際はこの後にも柱・魚・小袖とあらゆるカテゴリーで最も優れているものを讃える文章が続きます。一休宗純禅師の言葉として伝わっていますが、なかなか粋なものですね。
それではそれぞれのカテゴリーの内容を少し詳しく見ていきましょう。
花は桜木🌸
言わずと知れた日本の代名詞、桜です。SAKURAというフレーズは外国でもNINJA、SAMURAI同様によく知られています。
咲き始めは春の到来を告げ、満開時は花見をする人々を喜ばせ、散る時の美しさまでもが人々を魅了する。色彩豊かでなかった江戸期の冬景色から、桜のもたらすピンクが町や山を彩るその姿には多くの日本人が感動したことでしょう。
また、桜その一巡を見てとれることからか、平安時代には命の象徴としても扱われました。
人は武士🗡
武士は食わねど高楊枝、武士の一分、といった武士階級の誇りの高さを謳った慣用句は今でも残されています。彼らは名誉を守るためなら死も厭わない、他の国には見られない類まれな特権階級でした。
西欧に感化された現代の価値観ではなかなか理解しづらいですが、恥を晒して生き残るくらいなら誇り高き死を選ぶ彼らの清廉潔白な姿には、農工商からも一種の憧れがあり、明治期にはその生き方が教育にも採用されるほどになりました。
斬捨て御免を殺し放題と勘違いした書籍もありますが、そんなことをすれば尊敬の念など抱かれませんし、そもそも理由なき殺人は御家取り潰しなどの憂き目をみることになるので、大きな誤解です。
ちなみに切腹は、腸(はらわた)を見せることで己の腹の内にはなんら曇ったところはない、と自分の清廉潔白さを証明する手段でした。逆に、斬首は最も不名誉な処刑方法です。
柱は檜🪵
現代でも高級木材として使用される檜(ひのき)は、その独特な香りで人々の心を穏やかにしてくれます。そのヒーリング効果から檜風呂が代表的ですが、寺社仏閣にも使われています。柔らかく加工のしやすさが有名ですが、年月を経ることでとても重厚な強度をもつ木質に変化します。
現代建築では白アリ対策に土台という肝心な部分に使われることが多いです。
小袖はもみじ👘
小袖とは大袖に対して、袖口の穴が小さい和服です。でも、なぜもみじ柄なのか分かりません。服飾について、門外漢なためもうちょっと勉強してから追記します。
花はみよしの🌸
ここにきてのもう一度桜推し。みよしのというのは奈良県の吉野のことです。桜を見るなら吉野においで、ということでこれは画像をみた方が分かりやすいでしょう。吉野はかつて南北朝時代に後醍醐天皇が南朝を開いた地です。
日本人として生まれたからにはいつかこの吉野の桜を見に行ってみたいものです。