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The Weekend Traveler

憧れの光原社

2022.07.18 09:08

この旅の最終地であり一番の目的地でもあった盛岡の光原社。

宮沢賢治の注文の多い料理店の初版を出版したのがこの光原社。


民藝好きにとっては間違いなく聖地の一つ。

光原社へは盛岡駅から徒歩15分くらい。

この日も天気は悪いけど、もう3日も雨の旅だとそれはそれで慣れてしまう。

橋に掲げられた啄木の詩。

珍しく柔らかい言葉だけど、啄木とこの陰鬱な空模様は異様に合う。

光原社へ向かう道にはこんなかわいいお店がちらほら。

この文具屋の鉛筆でなら私でさえ童話のひとつでも書けるかもと思わせられるファンタジーな佇まい。

さぁ!


いよいよ!


憧れへの入り口!!


テンション上がって写真撮ったものの、見事に邪魔な私のオレンジの傘。

丁寧な風景に溶け込めない哀しき自分。

中は撮影禁止なので写真はないけど、メインの民芸品のショップ部分は、かわいいを100万回連発してしまいそうに素敵な手仕事が日本中、世界中から集まっている。


自分でも持ってるものが売られていると勝手に光原社に認められたような気分になって、これまた楽しい。

中庭の奥にあるトイレもとても洒落ている。

植栽もその壺も全て自然で完璧な風景との調和で、このセンスには平伏すレベル。

タイルも可愛くて撮影しようとしたら自分のデーハーなスカートが映り込んでなんかシュール。

痛んだ樹々は漆喰で補強されていて、これまた丁寧な仕事ぶりに感嘆。

お店のお姉さんに

素敵すぎて過呼吸起こしそうなんでまた後で来ます、


という知ったこっちゃないセリフを残して喫茶店へ消える我ら。

中も撮影NGなので写真はないけど、喫茶店のみなさんもまたとっても丁寧かつ俊敏な手捌きで、サクサクとコーヒーとかカフェオレを仕上げていく様はもはや芸術レベル。

AI超えてきてません?というくらいの正確な動きの連続で、手元に視線は釘付けで。

後は宮沢賢治先生の資料館でまた思いを馳せたところで今回の旅はタイムアップ。


建物も立地も民芸品のセレクトもお店の哲学もスタッフのみなさんの仕事ぶりも、全てが憧れを裏切らない上質なもので、旅先での爆買いを惜しまないこの私たちが胸いっぱいすぎて何を買うべきか自分を見失うという珍着地に終わった光原社訪問。

春と修羅でも読み返して再訪を誓った旅だった。


2泊3日の北東北の旅はこれでおしまい。