クリームソーダ

　少し前から何故かクリームソーダを飲みたくて仕方なかった。冷たい飲み物を飲むとお腹が壊れがちなので欲望を無視して避け続けていたが、飲みたい欲がピークに達して耐えられなくなったので、昨日カフェに入って飲んだ。美味しすぎた。何かを食べて感動することがめっきり減っていたので嬉しかった。青山美智子さんの『月曜日の抹茶カフェ』を読みながら飲んだことも相俟ってか心がどんどん凪いでいった。ライトで淡い語り口と優しいストーリーが心地好かった。お腹は壊れなかった。

　最近は今更ながらTWICEを聴いている。一度も触れたことのないものに触れるときはいつも恐怖感が沸き起こるけれどまさにそれで、YouTubeのおすすめ動画を開く瞬間ぴりっと緊張した。最初は刺さらなかった。世界的人気を誇るグループの有名楽曲に高揚感を覚えられない自分に落胆した。でもころころ変わる衣装と可愛いダンスとストーリー性のあるMVが引っかかり、勇気を出して二度目を再生した。サビが耳に留まった。「あれ？」と些細な違和感を引きずりながら三度目を再生した。「可愛い！」に変わった。それが『What is Love?』だった。タイトルだけはリリースされた当初ランキングか何かに入って話題になったときに知っていた。当時はモーニング娘。の『What is LOVE?』のことかと勘違いした。そこでの落胆が蘇ったけれどもうすっかり大丈夫になっていた。

　TWICEと同じタイミングでキンパ（韓国風海苔巻き）にハマった。スーパーに売られているものなんだけど、見つける度につい買ってしまうようになった。

　韓国語と日本語とではとてもよく似た発音の単語があることを知った。言語について考えるとき、李琴峰さんの『彼岸花が咲く島』や多和田葉子さんの『地球にちりばめられて』を連想する。私には遠すぎる小説。でも読書＝旅行が成り立つのはこういう小説なんだとも思う。