『W旦那+(プラス)』第126話 三代目妄想劇場
2018.02.02 01:00
5年ぶりの交わりは、体は臣であって、中身はまったく別の…
異形の者との性交になってしまったが…
不思議と後悔はなかった。
帰って愛しさが増し、もう一生離したくない…そんな感情が湧いてきた。
もしも将来、また臣の気持ちに変化があり、別れ話を切り出してきても…
もう二度と手離さない。
隆二はそう固く決心していた。
『もう一度やり直さないか?』
あれは異形の者が発した、精を採取したいが為の誘惑の言葉ではなく、
臣自身の言葉だと信じたかった。
臣の体力が完全に戻ったら…
できるだけ早く、もう一度契りを結びたかった。
再び交われば、絶対的な確信が持てる。
ただ、今はその時ではない。
隆二は時を待つことにした。
彼女はどう選択するだろう?
記憶が戻らないまま、夫の所へ戻るのか?
今まで通りの…俺たちとの共同生活を続けるのか?
彼女が後者を選んだのなら…
せめて記憶が戻るまでは…
今の生活を続けさせてあげよう。
もちろん、この夫と名乗る人物が、
納得した上での話だが…
彼女が人妻だと知ったら…
がんちゃんはどうするだろう?
落ち込むだろうな…きっと。
車中で一人思いを巡らせていると、
前方に『リアの店』が見えてきた。
End