月の上から
2022.07.20 14:45
今宵、星空のサイクリングに向かう。
左腕の「G-SHOCK」で時刻を確認するとまだ日付は変わっていない。
そう、月面着陸の日は、夜空が似合う!
二人は、地図にはない「新道・補助118号」を見向きもせず
荒川放水路の右岸を走りだした。
地図のない夜空だけど、輝く星が座標にも見えてくる。
水面に映る首都高速の明かりと、七月の夜風が混ざり合う。
夜空にそびえる電波塔の陰影が、あやしくもあり美しい。
たぶん、同じタイミングで声に出したのだろう。
「まだ、この世界は美しい。」
『SPACE SCOUT スーパービデオロボット』スカウト号が、
無音で肌に伝わる感覚も空気もない月の上から
「チキュウハ、マダ、ウツクシイ!」と語りかけてくる。
彼の胸にある幻灯機には、今後の未来が映るのだろうか?