ZIPANG TOKIO 2020「庭屋一如 旧齋藤家別邸 国指定名勝の建物・庭園の見どころと北方文化博物館本館、近隣のご案内(その弐)」
齋藤喜十郎家は、東堀通7番町に居を構え、新潟の三大財閥のひとつに数えられた名家である。屋号は「三国屋」で、その先祖は越前国三国港から移住したと言われている。幕末の頃、家業の清酒問屋から事業を発展させ、明治時代に入ると、北前船経営に本格的に取り組むようになりました。そして海運業で得た利益をもとに、土地の集積と有価証券投資を行い、地域経済の近代化に大きく貢献しました。沢海の伊藤家など有力地主や商家と姻戚となり、系列企業に親族を配し、地方財閥としての体裁を整えていきました。
また商標から「山三(ヤマサン)」と呼ばれ、当主は代々喜十郎を襲名している。
旧齋藤家別邸について
旧齋藤家別邸は、豪商齋藤家の四代齋藤喜十郎(庫吉1864~1941)が、大正7年(1918)に別荘として造ったものである。 砂丘地形を利用した回遊式の庭園と、近代和風建築の秀作といわれる開放的な建物は、大正時代における港町・商都新潟の繁栄ぶりを物語る文化遺産である。
戦後この邸宅は進駐軍による接収を経て、昭和28年(1953)には加賀田家に所有が移りました。
時代が移り平成17年(2005)、所有権の移転や解体の可能性などの話題が聞こえてくるようになり、保存を願う運動が市民有志によって起こされました。 署名・募金運動、市議会への請願などが実を結び、平成21年(2009)、新潟市はこれを公有化しました。
施設概要
土地: ・約4550平方メートル(約1370坪)
建物: ・主屋 木造2階建 ・茶室 木造平屋建 ・土蔵1 土蔵造2階建 ・土蔵2 土蔵造2階建 ・他、四阿2棟
旧齋藤家別邸は国の名勝に指定されています。(指定名:旧齋藤氏別邸庭園)
指定の概要
新潟の豪商の齋藤喜十郎が、大正6~9年に砂丘地形を利用して造った別邸の池泉庭園。
作庭には東京の渋沢栄一邸の作庭にも関わった東京根岸の庭師が携わった。砂丘の地形・植生に基づき、地元産の石材を多用するなど、風土色を生かした庭園として重要。
なお、当施設の正式名は新潟市旧齋藤家別邸(通称:旧齋藤家別邸)ですが、文化財としての名称は旧齋藤氏別邸庭園となります。対象範囲は新潟市が所有する施設「新潟市旧齋藤家別邸」のうち西側の一部(身障者用駐車場他)を除いた範囲で、面積は4,400.30平方メートルです。主屋、茶室、土蔵、四阿などの建造物を含みます。
新潟市における国の名勝指定は、旧齋藤氏別邸庭園が初の物件です。
旧齋藤家別邸「建物の見どころ」
数寄屋造りを基調とした建物は優れた工匠の技術が駆使された近代和風建築の秀作と云われている。当主の好みを反映し、贅を尽くしたつくりが随所にみられ、豊かな建築意匠や趣向が興味を惹く。各座敷、部屋ごと、床廻りや天井などの多様な銘木とともに、欄間や建具も凝った造りとなっている。
建物からはパノラマ的に庭園全景が展望でき、庭園と建物が見事に融合した「庭屋一如」の空間となっている。
■佐藤紫煙の板戸絵
日本画家・佐藤紫煙(1873~1939)が桐の鏡板に描いた板戸絵です。 一階には「牡丹孔雀図」・「花卉図」、二階には「竹鶏図」が描かれた板戸絵が残されています。 「花卉図」には大正八(1919)年七月に制作されたとの記載があります。
庭園の見どころ
旧齋藤家別邸の庭園は、面積約4,500平方メートルの敷地内に、格式のある玄関庭、趣のある中庭、そして自然の砂丘地形を上手に活かして築山(つきやま)と見立てた広大な主庭とに区分され、それぞれ園路で結ばれている。主庭には茶室と茶庭があり、独立している。
砂丘地形を生かした回遊式の庭園は、高低差のある斜面を利用して水の流れや滝を設け、渓谷の趣を造り出している。各地から運ばれた巨石や奇石が配置され、根上り松やモミジなどの植栽があり、四季を通じて来館者を魅了する。
旧齋藤家別邸の近隣施設のご案内
旧齋藤家旧齋藤家別邸の庭園は、面積約4,500平方メートルの敷地内に、格式のある玄関庭、趣のある中庭、そして自然の砂丘地形を上手に活かして築山(つきやま)と見立てた広大な主庭とに区分され、それぞれ園路で結ばれている。主庭には茶室と茶庭があり、独立している。別邸がある西大畑地区は、その名の通り古くは畑が続く町の郊外だったといわれている。19世紀半ば以降、軍の営所、新潟監獄などが置かれ、続いて砂丘が生み出す微地形に沿って街路、水路が通され、開発が進みました。 界隈には江戸時代から続く老舗料亭(行形亭)や明治時代後期以降に続々と建てられた近代和風建築、洋風建築などが数多く残っています。また「異人池」という地名や新潟カトリック教会など、開港以降、市民生活に欧米文化が浸透していった歴史の名残を留めている。 現在は、新潟市美術館、安吾風の館、砂丘館、北方文化博物館新潟分館などの文化施設が集まる地域となっている。
老舗料亭 「日本料理 行形亭(いきなりや)」
創業は江戸時代中期の元禄の頃と言われ、三百年近くの歴史を持つ、純日本料理店。
樹齢数百年の自然木の黒松をはじめ、数々の古木、草花、築山、池、等で四季折々の風情をもたらす二千坪を超す庭が存在する。
その中に12畳から140畳の広間まで、11室の客室が、それぞれ入口の違う離れ座敷になっており、静かなたたずまいとくつろぎの部屋として、大変好評である。
「粋な黒塀 見越しの松」の日本料理 行形亭(いきなりや)
行形亭 〒951-8104
新潟市中央区西大畑町573 TEL. 025-223-1188(旧齋藤家別邸の隣)
新潟市美術館
当地区の緑化スポットの中心に位置する美術館。向かいは西大畑公園で、その景観の良さと前川國男設計のオリーブグリーンの落ち着いた建物が市民に親しまれている。新潟ゆかりの作家や近現代美術を中心にしたコレクション展の他、年数回の企画展を開催。天気の良い日は野外彫刻の散歩道を散策するのもおすすめ。
新潟市美術館 新潟市中央区西大畑町5191-9 電話:025-223-1622
安吾 風の館(旧市長公舎)
大正11年に竣工した新潟市長の邸宅。居住・執務、そして重要な来賓を招く場として歴代市長に使われていた。2009年から西大畑出身の坂口安吾の資料を展示する「安吾 風の館」として公開されている。
安吾 風の館 (旧市長公舎)新潟市中央区西大畑町5927番地9
電話:025-222-3062
砂丘館(旧日本銀行新潟支店長役宅)
昭和8年に建てられた日本銀行の新潟支店長の「役宅」。近代和風住宅と日本庭園が建設当初の姿で残され、市の文化施設となっています。花や絵で飾られた建物を無料で公開しているほか、年間を通じて様々な企画展やコンサート、イベントが開催されている。
砂丘館(旧日本銀行新潟支店長役宅)新潟市中央区西大畑町5218-1 電話:025-222-2676
北方文化博物館本館
八八〇〇坪の敷地は歩くたび、
季節がめぐるたびに表情を変える。
四季をまとう館の完成には八年の歳月がかけられ、
豪壮な建築と、名匠による格式高い佳景とともに、
当時の面影そのままに
越後随一の豪農の物語を今に伝える。
ここまでは、(一財)北方文化博物館 本館
〒950-0205 新潟県新潟市江南区沢海2丁目15-25 TEL.025-385-2001
北方文化博物館の分館 新潟市中央区南浜通2番町562 電話:025-222-2262
江南区沢海にある北方文化博物館の分館。油田採掘で知られる清水常作氏が明治28年に別宅として建設したものを伊藤家が別邸として取得。會津八一が晩年に暮らしていたことでも知られている。八一の歌碑や歌書、また良寛の書などを展示。建築は新潟市の玉野玉蔵氏、庭園は後藤石水氏の苦心の作。
新潟カトリック教会
最初の教会が建てられたのは明治18年のこと。現在の双塔をもつ聖堂は昭和2年の建築である。スイス人建築家ヒンデル設計の木造で、ロマネスクとルネッサンスの折衷様式の珍しい建物といわれている。
新潟カトリック教会 新潟市中央区東大畑通一番町656
海の洋館 ネルソンの庭(旧新潟県副知事公舎)
旧県副知事公舎の洋館を残し、現代風センスでリノベーションして作られたカフェレストラン。
海の洋館 ネルソンの庭(旧新潟県副知事公舎)新潟市中央区営所通2-692-6
電話:025-224-7851
新津記念館
昭和の石油王といわれた新津恒吉が昭和13年に外国人用の迎賓館として建てた洋館。県内で初めて登録有形文化財建造物の認定を受けている。1階には「イギリスの間」、2階には「フランスの間」と「日本間」があり、館内では随時、所蔵品の展示を行っている。庭園の散策もできる。
新津記念館 新潟市中央区旭町通1番町754番地34 電話:025-228-5050
新潟大学旭町学術資料展示館
新潟大学所蔵の貴重学術資料を広く学内外へ公開する目的で2001年12月に開館。常設展示の他、企画展も随時開催されている。建物は昭和4年の建築。旧制新潟師範学校の児童博物館等として利用されてきた。新潟市域に現存する昭和初期の鉄筋コンクリート造の建物としては最古級の建物といわれている。
新潟大学旭町学術資料展示館 新潟市中央区旭町通2番町746番地 電話:025-227-2260
交通アクセス
(公財)新潟観光コンベンション協会からのお知らせ!
新潟花街茶屋・旧齋藤家別邸のご案内
明治の大商家で愉しむ新潟古町芸妓の舞
京都・祇園、東京・新橋と並び称される新潟・古町の花柳界。約200年前の江戸時代に、日本海側最大の北前船の寄港地として栄え賑わいを見せていた新潟に、いつしか花街が生まれ、訪れる人々を芸でもてなしたのが新潟古町芸妓でした。
この200年の伝統を誇る「古町芸妓の舞」を新潟市中心部にある、日本遺産に認定されたかつての商家のお屋敷「旧齋藤家別邸」でご覧いただけます。
当日は新潟古町芸妓さんとの写真撮影や、お座敷遊びの体験もございます。ぜひこの機会に新潟のおもてなし文化を体験して下さい。
新潟古町芸妓(ふるまちげいぎ)とは
新潟市には京都の井上流と並び日本舞踊の流派・市山流があります。市山流は新潟市無形文化財の第1号で、地方の宗家で120年以上の歴史を刻んできた流派は全国でも唯一であり、その芸術性は高く評価されています。
この「市山流」の日々の厳しい稽古で磨かれた唄や踊り、三味線などの芸、そして美しい所作ともてなしの心で、お客様をお出迎えし、宴の席に和と華を添えているのが「新潟古町芸妓」です。
新潟花街茶屋
行形亭や鍋茶屋などの老舗料亭で活躍している新潟古町芸妓の舞とお座敷遊びを、お気軽に体験していただけます。
【平日のお申込み】
新潟観光コンベンション協会 TEL. 025-223-8181(平日/8:30~17:15)
【開催当日のお申込み】
定員に余裕がある場合は、開催当日のお申込みも可能です。開催当日の9時30分~12時00分迄に、
旧齋藤家別邸 TEL. 025-210-8350 へお問い合わせください。
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町 観光大使
協力(順不同・敬称略)
旧齋藤家別邸 新潟市中央区西大畑町576番地行形亭(いきなりや)様隣 ☎025-210-8350
(公財)新潟観光コンベンション協会
〒951-8062 新潟市中央区西堀前通6番町894−1 西堀6番館4F電話: 025-223-8181
文部科学省 〒100-8959 東京都千代田区霞が関三丁目2番2号 電話番号:03-5253-4111