Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

紫藤会

第69回「至誠通天の詰みなき螺旋階段」橋口久さん(プライアント㈱ 代表取締役社長)

2022.07.28 10:50

■藤岡先生との出会い

全国の中小企業経営者の学びの場である中小企業家同友会(以下、「同友会」)。私は2007年より長崎同友会佐世保支部に所属していますが、2019年、私たち長崎同友会がホスト県となり、第49回中小企業問題全国研究集会を開催しました。その第一分科会で、「社会・経済・技術の転換期における中小企業経営:有機的連帯(同友会)の可能性」をテーマに、藤岡先生がご講演されました。しかしながら、当時の私は、(失礼ながら)藤岡先生のご存在や、藤岡先生が長きに亘り同友会をご支援いただいて事実を存じ上げておりませんでした(当日も別会場の運営担当だったたこともあり…)。

2020年4月に、明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科(以下、MBS)へ入学。その際、同友会全国協議会の前事務局長である平田氏から頂戴したお祝いのメッセージの中で、藤岡先生がMBSで教鞭を執っていらっしゃることを改めて認識することに。後日、平田氏と一緒に藤岡先生と会食をする機会がありましたが、その会食後、贅沢にも喫茶店でマンツーマンの進路相談を受けていただきました。先生の魅力的な授業以上に、私にとってはこの喫茶店での2時間が、人生における貴重なターニングポイントとなりました。


■感銘を受けた言葉。

過去にこのページで諸先輩方が記された藤岡先生の珠玉の言葉を拝読させていただくと、先生の「言魂」が教室の匂いや温もりと共に、私の心に蘇ってきます。49歳となり、人生の半分は経験したつもりでしたが、導く者と導かれる者との関係とはまさにこのことだったのかと、この歳になって初めて、師弟関係の美しさに出会えました。

将棋の世界では、「詰み」になった時点で対局は終了します。プロの対局では、片方が負けを悟った場合は、詰む前に投了するのが一般的です。MBSの教室で先生がしばしば使用される「詰んでいる」という表現。しかし、ひとたび教室から目を移して、学舎(アカデミーコモン)の中央にある螺旋階段を見遣ると、藤岡先生の「詰み」は負けや終わりを指しているものではないことがわかります。藤岡先生より「螺旋的発展の法則」の知見を得たことで、至誠通天の階段を怯まず腐らずコツコツと登る勇気をいただきました。


■今後の決意

MBS入学前に3つの目標を立てました。①MBSでの学びを自社経営に還元する。②MBSでの学びと自社経営での実践を、地元の中小企業家に還元する。③人生100年。自分の人生を中小企業の親父だけで終わらせず、大学で教鞭を執りながら研究を続ける。この3つの目標は現在も自分の北極星として光り輝き、3段上って2段下りながらも、藤岡先生のご指導のもと1段ずつ北極星への螺旋階段を上っています。2023年3月のMBS卒業後も、藤岡ゼミ、そして紫藤会の一員として、社会に恩送りできる人生を歩んでいく所存です。