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Atlanta Life ~via Belgium~

グアテマラのコーヒー農園へ!

2018.02.06 15:29

グアテマラでの生活パターンとして8時に学校に行き、先生と軽く雑談、そしてお出かけというのが定番になりました。普通のスペイン語学校だとずっと缶詰で勉強なのですが、そんなやる気も体力がないし、雑談でも十分勉強になるので座学は初日で辞めてしまいました。先生もとてもフレキシブルに対応してくれて有難い。好奇心旺盛な私には一緒に出掛けて色んなことを聞いて学んだ方が合っている気がします。


今日は授業のあと、先生が勧めてくれたコーヒー農園に行ってきました。農園ではガイドさんが説明してくれるので、先生と行ったらもったいないから今日は一人で(笑)。グアテマラ名物のバイクタクシー、トゥクトゥクに乗って、ジェットコースターみたいにガンガン揺られること15分、コーヒー農園に到着です。

アンティグア近郊にはコーヒー農園が二つあって、一つはこじんまりとした小さな農園(La Azotea)、もう一つはラグジュアリーでホテルやらプールやらがついた農園(Filadelfia Coffee Resort)。私は小さい方に行ってきました。大きい方は行ってないから分からないけど、多分小さい方で当たり!農園の他に、民族博物館や、楽器博物館も併設されており、一緒に見学することができます(しかもガイド付き)。

とくに民族博物館では、グアテマラのインディヘナ(先住民)の衣装が地域ごとに見ることが出来て、ちょうど行ってきた村や、これから行く村のものがあり興味深く学ぶことができ、とても有意義でした。

<San Antonio Aguas Calientes村のもの。私の好み!オレンジベースの幾何学模様です>

<Santa Maria de Jesus村のもの。標高が高くて寒いので、厚いショールのようなものを肩からかけています>

<San Juan Alotenango村のもの。暑い地域なので、薄い布にちょっとした刺繍が施されています>


先住民の文化を学んだ後はお待ちかねのコーヒーツアー!

グアテマラのコーヒーは世界で3番目に高品質だそう(1位はエチオピア、2位はケニア)。生産量は8番目だそうなので、少量ながらも品質の高いコーヒーを頑張って作っているんですね。ちなみに高品質なアラビカ種しか作っていません。

コーヒーの苗から、コーヒーの実を収穫して飲むまで、時系列的に説明を受けて印象的だったのが、コーヒー産業というのはとても労働集型産業だということ。例えば、450gのコーヒー豆のパック(カップ32杯分くらい)には、2.9キロ分のコーヒーの実が必要で、それはコーヒーの木1本分から平均的に収穫される量にあたるそうです。我が家では、毎週1パック分くらいのコーヒーを2人で飲んでいるのですが、それがコーヒーの木1本分だったとは。農園の人が言っていたのですが、コーヒーに砂糖やミルクを入れて飲むのは、ワインにコカ・コーラを入れて飲むのと同じだそう。手塩に掛けて作ったコーヒーだからこそ、そのままの味を味わって欲しいんでしょうね。

そういえば、学生の時にスターバックスでバイトしていた時、淹れてから1時間経ったコーヒーは廃棄するというルールがありました。1日にかなりの量が廃棄されていたのを覚えていますが、「グアテマラ」も「本日のコーヒー」の一つでした。無駄にされてしまったコーヒーも残念だけれど、そのコーヒーを作るためにかかった労働量は計り知れません。。


コーヒー農場での重労働作業の中で、コーヒーの実の収穫と運搬があります。収穫は主に女性の仕事で、運搬が男性や男の子の仕事。なぜコーヒーの実を摘むのが女性の仕事かというと、女性の手のpH数がコーヒーの実と相性がいいからだそう(勝手に眉唾物だと思っているのですが)。そして働いているのはほぼ全員先住民の女性です。先住民はグアテマラでは差別を受けており、働き口も限られています。そんな状況なので、残念ながら容易に過酷な状況が想像できます。

<熟れている実だけを一つ一つ手で摘みます。これだけは機械化できないそう>

<機械で赤い果実を潰したら、中から出てくる薄皮がついた種を乾かします>


<中は湿っているのでひっくり返したりしてここで完全に乾かします>


<こちらがコーヒーの木。アラビカ種は日陰が必要なので、ここではアボカドの木を一緒に植えて、日陰を作っています。ちなみに一緒に植える木は農園ごとに違うそう>


<大量のアボカドがなっていました。これでも一儲けできそう>


ツアー中、コーヒー農園の中を歩いていると5,6歳くらいの金髪の青い目の男の子が走ってきて「僕のパパ知ってる?農園のオーナーなんだよ!」と自慢げに言ってまた走り去っていきました。この農園はスペイン人が設立し、今はスペイン人とイギリス人の夫婦によって経営されているそうです。

何だかここで、この国の縮図を見たような気がしてちょっと暗澹(あんたん)たる気持ちになりました。16世紀にスペイン人がやってきて侵略してから何ら変わっていないじゃないかと。グアテマラは外資に搾取されている国です。そして人口の半分をしめる先住民は差別され、搾取される状況にあります。なかなかすぐに現状を変えるのは難しいから、消費者の私たちがフェアトレード品を買ったりと、少しずつでも改善していけたらなと思いました。


グアテマラのコーヒー農園に行って思い出したのがこちらの映画。日本でおそらく初めて公開されたグアテマラの映画です。主人公はコーヒー農園で働く先住民の女の子。ドキュメンタリータッチで描かれていることもあり、グアテマラの現状をかなりリアルに映し出しています。主人公もアマチュアの先住民の女性を起用していて、映画での言葉ももちろん先住民の言語。1年ほど前に見ましたがとても印象に残っています。映画で出てくるシーンもグアテマラそのもの。Amazonビデオでレンタル出来るのでの良かったらどうぞ。