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杉並病をなくす市民連絡会

「杉並区基本計画・実施計画」改定にあたっての意見書

2018.02.03 04:45


                             2004年8月30日

                           杉並病をなくす市民連絡会

                             (代表・高野尤子)

 表記の「計画」素案について会としての意見を申し上げます。

1.杉並病の解決をかかげるべきです

杉並区の基本計画(21世紀プラン)そのものが「杉並病」被害について全く触れていませんが、当会の調査によれば、「杉並病」被害はなくなるどころか、広がり、重度化しています。

したがって、緊急の課題として

・「杉並病」の健康実態調査(区による健康調査は99年のもののみですが、当時のもので現状は判断できません。新しい調査が必要。)

・杉並中継所の操業停止

・杉並中継所周辺の化学物質についての調査。(現在のモニタリングのように恣意的に少数の物質に限定したものではなく排出されるすべての物質(未同定を含む)の調査。)

・被害者の救済

を計画にとりいれるよう要望します。

2.杉並中継所操業停止を明記してください。

(1)杉並区の「一般廃棄物処理基本計画」では2012年を目標に停止するとしていますが、今回の素案では「停止」の文言も入っていません。停止を明記すること。

(2)2012年では被害はとりかえしがつかないほど広がってしまいます。計画されている「一般廃棄物処理基本計画」見直しにおいては、早期停止を含む計画となるよう要望します。

3.現実性のない不燃ごみ減量計画は見直しを

(1)減量は現実的でなく、区民への煙幕となっている。

「一般廃棄物処理基本計画」では10年間で不燃ごみを10000tにまで減量するとしていますが、現実のごみ減量の進行をみれば、まったく現実的ではありません。中継所不要になるまでの減量は今回の改定案では不可能であり、この計画は「杉並区は杉並病解決に努力している」との誤解を区民に与える煙幕となっています。

(2)廃プラスチック、ペットボトル回収、レジ袋削減について

素案には「資源の分別促進」とありますが、杉並中継所へのごみの搬入は中継所開所以来ほぼ一貫して増えてきました。96年の42000tに対し、2002年は53000tと10000t以上も増加しています。素案には3年間で廃プラスチック回収3000t、ペットボトル300tとなっていますが、1年単位でみれば約1000tにしかなりません。レジ袋削減の現状をみても、この目標値すら達成はおぼつかないものと予測されます。また、実現したところで中継所を停止するだけの減量にはならず、つじつまあわせにすらなっていません。

いわんや、レジ袋の削減は大勢に全く影響のない欺瞞的なものです。

なお、ペットボトルについては回収拠点を増やせばすむことではなく、発生抑制を目標として、「東京ルール」にもとづく事業者負担による回収をいっそう推進すべきです。

(3)かりに杉並区でごみ減量しても、ごみは減らない。

杉並中継所への搬入量のうち、杉並区の不燃ごみが減る中で練馬区のごみが半分近くまで増えています。これでは、いくら杉並区でごみ減量努力をしても中継所は不要になりません。減量というなら、まず練馬・中野区に中継所の危険性を真摯に訴え両区に中継所へのごみ持ち込みを停止してもらうことからです。(これをやればいっきに半減します)

4.杉並病を環境教育にとりいれる

環境教育といいながら、最も身近で、なおかつ区民が直接被害を受けている杉並病については教育現場で教えることを規制するような現状では、環境教育はきわめて偽善的なものになっています。小中学校および、成人向けの講座などでも足元の杉並病を環境教育として位置づけることが重要です。

5.清掃事業の民営化反対

「スマートすぎなみ計画」では「清掃事業のあり方の見直し」として「民間で実施可能なものは民間活力の活用を進める」とされていますが、杉並病公害を垂れ流し続けている杉並中継所の民営化は環境に対する区の責任を放棄するものであって、絶対に許されません。

6.「環境白書」の再検討を

「環境白書」では「ほとんどの方が症状の消失又は一般的な慢性疾患として治療されている状況」と杉並病をあたかもなくなったものであるかのように印象づけていますが、それが事実に反することである以上、白書を再検討し、杉並病解決にまじめに取り組むべきです。

 以上申し入れます。各担当部局において、真摯に検討されることを希望いたします。