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“いつでもどこでも持ち運べる最高のタブレット”iPad mini Retinaディスプレイモデルの魅惑

2013.11.12 20:00


"いつでもどこでも持ち運べる最高のタブレット"iPad mini Retinaディスプレイモデルの魅惑

更新:

2013年11月13日 16時54分

提供:

ITmedia Mobile

「iPad mini Retinaディスプレイモデル」。カラーはスペースグレイとシルバーの2色。写真はシルバー

 コンピューターの理想型には、3つの重要な要素がある。

 「直感的で分かりやすく、誰もが特別なトレーニングなしで使えること」「ソフトウェア(アプリ)で機能が追加・進化し、ネットワークに常につながっていること」。そして、「いつでもどこにでも持ち運べること」の3点だ。これは1972年にアラン・ケイの著書「A Personal Computer for Children of All Ages」で思想的な礎が作られ、その後のIT産業に多大な影響を与えた。

 現代において、その最も洗練された形は、Appleの「iPad」として具現化されている。iPadはその登場当初から誰もが使えるコンピューターであり、アプリの力でハードウェアの性能を超える価値をユーザーに提供した。また、「実利用で10時間程度」というバッテリー持続時間にこだわり、ワイヤレスで持ち運べることを重視してきた。iPadのこれまでとは、そのままコンピューターの理想に向かって洗練していく歴史ともいえる。

 そのiPadの中で、よりモバイル性能を強化したのが「iPad mini」である。7.9インチのディスプレイを採用して小型化し、いち早く狭額縁化やスリムでフラットな背面デザインなどを採用していた。主力のiPadは、2013年の「iPad Air」で軽量化とデザインの変更を行ったが、コンセプト的にその先を行っていたのが、iPad miniなのである。

 そして2013年11月、iPad miniは待望の「Retinaディスプレイ」を搭載。CPUはじめハードウェア性能も大幅に引き上げられた。デザイン変更で見た目ががらりと変わったiPad Airに対して、「iPad mini Retinaディスプレイモデル」は"中身ががらりと変わった"のだ。その効果はどれだけあるのか。

 筆者は今回、このiPad mini Retinaディスプレイモデルをいち早く試す機会を得た。すでにネットでの予約販売が始まっている中ではあるが、iPad mini Retinaディスプレイモデルの魅力、実際に使ってみた上でのiPad Airとの違いなどについてリポートしたい。

●Retinaディスプレイの美しさ、それ以上に感動したもの

 Retinaディスプレイに目を奪われる。それは予想していた。

 iPad miniのディスプレイは7.9インチで2048×1536ピクセル(326ppi)。これは"大きいiPad"である9.7インチのiPad Airと同じ解像度であり、画面サイズが小さい分、画素密度(ppi)はiPad mini Retinaディスプレイモデルの方が高い。またAppleはiPadのディスプレイにおいて、自然な発色と視野角の広さにもこだわり抜いている。まるで高品質印刷された紙がはめこまれたかのような、驚くほどの美しさ。ここで感動することは、いわば「想定の範囲内」である。

 日常的にiPad mini Retinaディスプレイモデルを使ってみて、Retinaディスプレイの美しさ以上に感動したもの。それはRetina化されても、アプリやネット利用などさまざまなシーンでの動作がとても速く、サクサクと小気味よく使えるということだ。処理速度が速くなったことは、はっきりと体感できるレベルである。しかも実利用環境でのバッテリー持続時間も、先代からまったく変わっていない。

 既報のとおり、iPad mini Retinaディスプレイモデルは、Retinaディスプレイ搭載とあわせて、CPUを64ビットアーキテクチャ搭載「A7」+M7モーションコプロセッサに換装。「iPhone 5s」およびiPad Airと同じ、Apple製スマートフォン/タブレットの高性能仕様になったのだが、その効果は絶大のひとことだ。

 iPad mini Retinaディスプレイモデルのユーザーは、このRetina化+高速化のメリットは、そこかしこで感じることになる。ブラウザやメールといった基本的な機能は言うに及ばず、高解像度写真をパラパラとプレビューする、電子書籍で本やコミックを読むとき――などだ。朝日新聞や日本経済新聞などの電子新聞も、高解像度化+高速化によって描画が速く快適だった。

 しかし、なんといっても効果絶大と感じたのは、「Newsstand」で配信されている電子雑誌を読んだときである。雑誌は文章だけでなく、高画質や写真がふんだんに使われており、誌面レイアウトも複雑だ。しかしiPad mini Retinaディスプレイモデルでは描画が高速なため、ページをめくればすぐに表示される。Retinaディスプレイの効果で、ページを拡大縮小しなくても本文やキャプションが読める。ページを見開きで読むなら9.7インチのiPad Airが欲しくなるが、1ページずつなら、iPad mini Retinaディスプレイモデルで無理なく読めてしまうのだ。感覚的には、近ごろ女性誌を中心に増えてきた「縮小版(バッグサイズ)雑誌」を読むのに似ている。

 先代のiPad miniが登場したとき、「なぜ、Retinaディスプレイではないのか」という声は少なからずあった。その答えは、今回のiPad mini Retinaを1日使えば、すぐに分かるだろう。2012年の段階では、仮にRetinaディスプレイを搭載することができても、その高解像度を生かすだけの処理能力やバッテリー持続時間が得られなかったのだ。7.9インチの美しいRetinaディスプレイと、64ビットアーキテクチャ搭載の「A7」+M7モーションコプロセッサ。そして、それらのハードウェア性能を存分に引き出す、iOS 7と豊富なアプリの数々。これらのパズルのピースがそろい、iPad miniのサイズに実装できるタイミングこそが重要だったのである。

●"モバイルならでは"が、iPad mini Retinaの強み

 Retinaディスプレイで、「A7」+M7モーションコプロセッサによる高速処理。これはiPad Airと共通する部分である。今回、iPad Airが先代よりも180グラム以上の軽量化(重さはWi-Fiモデルが469グラム、Wi-Fi+Cellularモデルが478グラム)を果たしたこともあり、iPad Airも十分に持ち運べるものになった。iPad AirとiPad miniの違いは「ディスプレイと本体のサイズのみ」になったといってもいいだろう。

 そのような中で、iPad mini Retinaを選ぶ理由は、"モバイルならでは"の使い勝手の良さの部分に集約される。しかし、これが日本の、特に都市生活者においては大きなポイントになりそうだ。

 筆者は今回、実際にiPad AirとiPad mini Retinaディスプレイモデルの両方を持ち歩いて使ってみた。そこで感じたiPad mini Retinaディスプレイモデルの最大の魅力は、「片手で持って使える」ところである。

 駅から出て地図を確認する、電車で立ったまま電子書籍や雑誌を読むといったシーンで、片手で持って使える便利さは大きい。とりわけ今回のRetina化で、電子書籍やコミック、雑誌を無理なくiPad miniで読めるようになったため、都市部の電車移動との相性はとてもよいと感じた。実際、吊革につかまったまま無理なく電子書籍が読める。

 また、オープンカフェでソイラテを飲みながら、Newsstandで購入した雑誌の最新号を読む。こういった場合にも、iPad mini Retinaをカバンからスッと取り出せば、とてもスマートだ。日々の時間を有効活用したい行動派の人にとって、iPad mini Retinaの持つサイズの小ささは実用性の高さとなるだろう。

 なお、こういった"片手で使う場面"でお勧めなのが、純正アクセサリー「Smart Case」である。これは背面も覆うフルカバータイプなので、マグネットで本体側面に部分的に装着される「Smart Cover」よりも外れにくい。画面のカバー部分を折りたたんで片手で持つとホールド感もよく、カバーが外れて不意に本体を落としてしまうというようなこともない。値段が8100円とやや高いのが玉にきずだが、iPad mini Retinaディスプレイモデルをアクティブに持ち歩きたいなら、セット購入を検討して損はないだろう。

●LTE版iPad mini Retinaなら、カーナビとしても最適

 さらに、これはiPad Airと同じくであるが、LTE版のiPad mini Retinaディスプレイモデルならば「カーナビとして使う」こともお勧めの使い方である。

 前回のiPad Airのリポートでも紹介したが、2013年に入ってからナビタイムジャパンの「Car Navitime」を筆頭に、iPadに最適化されたユニバーサルアプリで、なおかつRetinaディスプレイに対応したカーナビアプリが登場してきた。

 これらのカーナビアプリは標準的なナビゲーション機能のほか、オンデマンドVICSやプローブ渋滞情報、駐車場満空情報など豊富なリアルタイムコンテンツに対応。さらに地図情報をクラウド側に持つため、新たな道路が開設したときや、首都高速八重洲線の架けかえ工事のように長期間の道路封鎖があったときにも、最新の地図情報に基づいて的確にナビゲーションを行う。通信機能を持たずクラウド連携をしていないカーナビ専用機よりも、よほど高性能かつ便利であり、しかも利用コストも安いのだ。

 iPad mini Retinaディスプレイモデルは、iPad Airより画面サイズは小さいが、その分、クルマへの装着自由度は高い。iPad Airをカーナビとして使う際にはダッシュボード上に大型のマウントキットとクレードルを装着する必要があるが、iPad mini Retinaディスプレイモデルのサイズであれば、メーカー純正システムと併存させて設置することも可能だろう。筆者のクルマではBMW純正のナビゲーション/マルチメディアシステムが標準搭載されており、ディスプレイも固定式だが、iPad mini Retinaディスプレイモデルであれば写真のように"2台目のナビ"として装着できた。現在、8インチタブレット用の車載用クレードルは種類もかなり増えてきているので、クルマを持っている人は、カーナビ利用を検討してみるといいだろう。

●iPad mini Retinaディスプレイモデルは、今年最高のモバイルタブレット

 タブレットは非常に応用範囲の広い製品であり、人それぞれの求めるところによって、変幻自在にその姿を変える。なかでもiPadは、iPadに最適化されたアプリがほかのタブレットよりも圧倒的に豊富なことから、使い方は多種多様。まさに魔法のデバイスだ。

 そのような中で、今回のiPad mini Retinaディスプレイモデルは「今年最高のモバイルタブレットである」と断言できる。スペックだけ見れば、Retinaディスプレイ搭載という想定内の進化をしただけに思えるが、実際に使ってみると、iPad miniの魅力を一切損なうことなく、それでいてユーザー体験のレベルが格段に向上していることが分かるのだ。頭ではなく身体で感じた方が魅力を感じる、という点では、iPad Air以上の進化である。

 iPad mini Retinaは、とても魅惑的な変身を遂げた。常に持ち歩くモバイルタブレットを探しているならば、iPad mini Retinaを一度触り、体感してみることを強くお勧めする。