自分の言葉でかみ砕く
英語学習には、文法訳読方式が一番の近道だと思っています。
分からないポイントが、単語なのか文法なのか文構造なのかをはっきり分析できるので、四技能どれにでも当てはめて学習できると思っています。
逐語訳の習慣をつけてほしいと、文が出てきた時点から興味付けをするようにしています。その効果が出ているのかはわかりませんが、生徒ちゃんは、逐語訳をしている意識もなく(「その意識がない」ことを初めて先日言われて驚きましたが)、すらすらと日本語訳をしてくれています。
その日本語訳は、それぞれの生徒ちゃんの個性が出ていて、とても興味深く感じています。その美しい日本語に感動したり、意外な日本語を充ててくることで不意打ちの笑いをもらったり、一瞬たりとも気が抜けません。
ある小学生は、物語の主人公のセリフ回しを、お話の雰囲気にあうような、少しメルヘン調に訳してくれました。
ある高校生は、環境についての説明文を、内容にぴったりの言い回しに訳してくれました。
その中でも、英語を音読した直後、普段の会話と何も変わらない日本語が、毎度毎度、口からすらすらと出てくる中学生がいます。
彼女にかかると、以下の会話文は、こんな風になります。
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A: Would you like some cookies? (あんた、クッキーもらう?)
B: No, thank you. (ありがとう。いいわ。)
A: Really? I thought you would eat a little more. (まじ?もうちょっと食べるかと思ったんだけど。)
B: Sorry. I've decided to go on a diet recently. (ごめーん。最近、ダイエットしようしてから。)
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A: What shall we do for dinner tonight? (今晩、何食べるよ?)
B: How about trying that new Italian restaurant? (新しくできたイタリアン、どうね?)
A: I would rather have Chinese food? (えー、中華んがよくない?)
B: Again? You always want Chinese noodles! (またな? あんた、いっつも麺ばっかやし。)
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第二言語、第三言語として語学を学ぶときに、母語の知識が、大きな助けになることは言うまでもありません。
どんなに多くの新出単語を覚えたとしても、それらを使用場面に応じて用いることができなくては、意味不明な日本語訳ができあがったり、またその内容までを理解することは難しいと思います。逆に、初めて見る英文であっても、自分たちが使っている普段通りの日本語に置き換えられるということは、その内容がきっちりと理解できているという証拠だと言えると思います。
どんなに内容が難しくなっていっても、その感性をそのままに、自分の言葉でかみくだいて、内容を理解していってほしいなと思っています。