〇〇権
昔に比べると、いや昔からあったことはあったんですが、ここ数年「権利」というものが今まで以上に大きな影響力を持つようになった気がします。
以前にも「メディアとかSNSとか」なんてお題で書いているので、お時間ある方はそちらも読んでみてください。
権利とは、基本的人権に代表されるように守られるべきものなのですが、その「範囲」から逸脱して主張したりすると、ともすれば我侭に見えたり、理不尽だったり、滑稽に見えたりするものです。そして、人権・差別に対する考え方などが年単位で考え方を上書きされ続けている(問題発言などと言われるものの何割かは、この流れについていけずに前時代的な言葉を使ってしまったパターン)昨今、自分の権利を守る側も他者の権利を害さぬように何かを為そうとする側も、それぞれが時代に合わせて対応する必要があります。WebやSNS上にアップするものもそうですし、特に出版物や各種マスコミなどはがっつり証拠が残るのもあって、放送(掲載)禁止用語・自粛用語などというものは増えることはあっても減ることはレアパターンで、リスト化して共有しておかないと何処でうっかり使ってしまうか分からない。そんな訳で少し前にドラマで題材となった「校閲・校正」というものが今まで以上に重要な意味を持つ訳です。
そんな中、Jリーグは面白い試みをしています。
「Jリーグの1ステージ制復活とDAZN効果 2017シーズンを村井チェアマンが振り返る」
「Jリーグが進めたデジタル戦略と国際戦略 2017シーズンを村井チェアマンが振り返る」
話は前後半の形式で、それぞれ2ページずつ公開されています。前半の記事の2ページ目に
DAZNに関しては、たとえば「10年間で2100億円」といった金額面の話題が表に出ることが多いですよね。しかし、私たちにとって大きかったのは、年間1000試合を超える試合映像をJリーグが制作し、著作権を初めてJリーグが保有するようになった、ということです。
Jリーグが制作する試合は、映像のクオリティーがきちんと担保されていて、ブランディングもできている。DAZNでライブも見逃し視聴もJ1からJ3まできるようになっただけでなく、ハイライト映像などがクラブやリーグのオウンドメディアでも発信できるようになりました。さまざまなデバイスを通して配信する機会を創出できるようになったことが、昨シーズンの大きな変化だったと思っています。
という村井チェアマンの言葉があります。
DAZN参入には賛否両論ありますが、著作権をJリーグ側が保持したまま、単体のゴールシーンやハイライトがTwitterのタイムラインに上がってくるというのは非常にありがたいことでした。DAZNに限らず契約の中で著作権が放送会社に移ると、こうはいかないと思います。
さて、Jリーグはこんな感じで先に進みました。
なでしこリーグはどうなんでしょう?
スポナビが2016シーズンを最後に撤退後、2017シーズンはどこも放送権(著作権とはまた別)の買取が無く1年を終え、2018年もシーズン契約のアナウンスはありません。
売れてないという事は、お金がない代わりに権利はがっつり手元に残ってるんだから、制約なく出来ることがいくつもあるはずです。リーグとしてそれができないなら、上記記事の「クラブ(やリーグ)のオウンドメディア」に無償で権利を解放するというのは出来ないものでしょうか。本来こんなことを各クラブに丸投げすること自体がおかしいんですが「なでしこリーグの「放送」について考えてみる」で触れた通り、リーグ自体の発信力には絶望的に期待が持てない状況なので、致し方ありません。
昨年、私が試合のフル動画を見ることが出来て本当にありがたかった「皇后杯2回戦」「Jリーグインターナショナルユースカップ」は、それぞれJFAとJリーグが著作権を持ち、作成したものだと思います。技術的には全く問題ないのは明らか。あとはお金と動くか動かないかの問題と感じるのですが、如何なものでしょうか。スタジアムへ足を運んでくれるサポはともかく、ネットですら試合の様子を見ることが出来ないリーグに新規の客を増やせって言ったって難しいと思います。この監督の采配が見たい、この選手のプレーが見たい、このサポの応援の中に入ってみたいって感じるキッカケが、今は各チームの地元ローカルメディアとサポ自身の発信に多くを依存している状況が辛いです。