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ひとりで生きるもん!

泣いた赤鬼。

2018.02.03 14:27

赤鬼は泣きました。


いっぱいいっぱい泣きました。


泣いちゃダメだ、強くならないと。


泣いてる姿はもう見せないんだ。


そう思えば思うほど、涙は止まりませんでした。



でも、赤鬼は気づきました。


赤鬼が自分のことを押し付けていることに。


赤鬼は、自分のことをもっと分かってほしかったと言いました。


でも、赤鬼は相手のことを分かってあげようとしていませんでした。


理解してあげようと努力していませんでした。


自分は人の気持ちが分からないんだ、と自分の気持ちを押し付けていました。



赤鬼は自分は強くなろうとしているんだと言いました。


もう弱い自分は見せたくないんだと言いました。


でも、その未熟な強がりの中には、まだ、甘えや自分を見て欲しいという赤鬼の弱いところが丸見えでした。


でも赤鬼は、それが自分の強さだと思い、頑張っていることを押し付けていました。



自分を押し付けて押し付けて、押し付けたあとに、赤鬼は自分の周りに誰もいなくなっていることに気がつきました。


赤鬼はまた大きな声で泣きました。


また同じ過ちをしてしまったと、大きな声で泣きました。


涙が枯れるまで、赤鬼は泣き続けました。


泣いて、泣いて、泣いて。


たっぷり泣いたあと、赤鬼は思いました。



「ぼくは1人で何でも出来る、周りの人の気持ちが分かる、本当の強い鬼になるんだ」



強さ・弱さというものは、喋る者によって捉え方が全然違うもの。


一概にこれが強い・弱いとは言えません。


ですが、赤鬼は自分が思う強さをさらに発展させた"赤鬼らしい強さ"を見つけました。



赤鬼がこれで立派に強くなれるとは断定出来ません。


でも、赤鬼のこの経験が、またひとつ赤鬼の力になったのは、確かだと思います。


今日は節分。


赤鬼は恵方巻きを食べながら、心の中でこう願いました。



(見ててね、ぼくはもっと強くなってもどってくるからね。そのときは、きみをもっとしあわせにするからね。)



今日も生きたよ、明日も生きるね。



びゃくやちゃん