読めない単語

　七月三十一日が来ると、あ、ハリーの誕生日だな、と毎年思う。思うだけで特に何もすることはないけれど、心の中にいつまでもホグワーツの輝かしい思い出が残っていることが嬉しいし誇りに思う（まるで自分がホグワーツOBであるかのような書き方）。

　映画『ゆるキャン△』を事前情報なしで観たらちょっと困惑した。でも未来で散り散りになろうとも皆の絆は変わらず続いていくことが分かって良かった。あとやっぱりキャンプしたくなった。キャンプ経験はほとんど皆無で、夜のキャンプ場でカップ麺を食べたことがある程度なので、グランピングとか、ハードルの低いところから挑戦したい。ピクニックでもいいなと思い、少し前にレジャーシートと使い捨てのお弁当箱を買ったけれど、全然実行に移せていない。

　今朝注文した英単語のポスターが夜届いた。うきうきでお風呂の壁に貼った。これで強制的に、しかもリラックスしながら英単語の暗記ができるぞと奮起した。でもいざお風呂に入ったら、何と、単語が全然見えないではないか。文字通り目を疑った。そういえばお風呂に入るときは当然ながらコンタクトも眼鏡もしないのだった。自分の視力の悪さが完全に頭から外れていた。

　理想はこんな感じだった（いらすとや様より拝借）。

　でも実際は、眼球がポスターに触れてしまいそうな勢いで顔を近づけて「メロディー……」「シグナル……」などと声に出して読んでいる。こうなるともう半身浴どころか膝下くらいしかお湯に浸かれないし、当たり前のように目と首と背中と腰が痛くなった。

　ポスターは中学一年生・二年生・三年生レベルの単語が学年ごとに分かれていて、計三枚になっている。三年生の単語になるとぐっと読めなくなったので、自分がどこからできていないのかが明確になって良かった。ただこれでは正しい発音が分からないので実践的ではないなとは思う。英検の勉強には向いているかもしれないけれど。

　まあそんなこんなで、自分のできなさ具合と無理な体勢により生じる痛みと次々溢れ出る汗とで面白くなってしまい、笑いながらお風呂を出た。日曜の夜に何をやっているんだろう。