弥勒の坐法
瞑想というと、床で坐らないとなんだか効果が無いように思っている方もいるかも知れません。またチェアで坐るのは、現代になってから生み出された手法なのでは?と思っている方もいるかも知れません。しかしチェアでのメディテーションは、実はとても伝統的な坐り方なのです。
チョギャム・トゥルンパ著 の「Meditation in Action」という本の一節にチェアでのメディテーションに関する文章があるのでご紹介します。
「脚を組んで坐るのがむずかしい人にとっては椅子に坐るのはまったく問題ない。実際、仏教の図像学(イコノグラフィ)に おいて、椅子に坐る姿勢は弥勒の坐法(マイトレーヤ・アーサナ)として知られている。だからそれはまったくかまわない。重要なことは、呼吸に緊張がかからないように、背中をまっすぐにたもつことだ。」
マインドフルネス・メディテーションは呼吸に意識を置きますが、姿勢が悪いといつもどおりの呼吸もしにくくなり、呼吸に意識を置きすぎてしまう。すると過集中の状態になってしまいとても鈍い状態でメディテーションをすることになってしまいます。これではせっかくメディテーションをしているのに効果が出ません。
背中をまっすぐに保つことができれば、椅子でも全く問題がない。足腰に痛みがあり、あぐらで坐ると痛みで背中が曲がってしまう人は、迷うことなく、チェアでのメディテーションを試してください。
私達現代人は、ほとんど椅子の生活です。椅子に坐ってマインドフルになるトレーニングをしていれば、日常生活でマインドフルに生活できる可能性も広がってきます。
チェアメディテーションのクラスは定期的に開催されていますので、是非一度ご参加ください。メディテーションと日常生活を結ぶヒントになると思います。