ゆっくりでいい
私には、8歳(小3)の娘がいます。
先日、娘が興味深いことを話してくれたので、今日はそのことを少し書いてみます。
子育てしている方も、そうじゃない方も、心と身体のことなので、良かったら読んでください。
身体の不調
その日、娘は夕方に疲れを訴えました。
お昼頃から仲の良いお友達と、お友達のおうちで楽しくゲームで遊んできたのですが、家に帰ってきてしばらくして、
「ママ、今日ごはんいらない。からだがだるい。」と。
だらーんと床に横になって、確かに目もうつろです。
こう暑い日が続いていることや、先週、我が家は夏休みをとって海の方に旅行に行っていたので、夏の日差しを浴びた疲れもあるでしょう。
何より、夏休みは生活リズムが不規則になるので、食事の時間も不規則になりがちでした。
母である私も、疲れを感じていたのだから、無理もありません。
子どもは、大人よりずっと、身体との繋がりが深いです。
そして、自分の身体のことをよく分かっています。
だから、私は基本的に子どもの身体を信頼して、不調の時、食べたくないときには無理に食べさせず、状況に応じて1食くらいは抜く選択をします。
とにかく、栄養を摂るより、休息が必要だと判断しました。
その日も、
「そうだね。とにかく早く寝よう!」
と言って、一緒にぬるいお風呂にゆっくり浸かりました。
頭の中の声がおそい
お風呂から上がり、髪を乾かしていたら、娘が言いました。
(娘とのやり取りを記憶しているまま書きます。)
娘「ママ、あのね、うーちー、時々こういうことがあって、イライラするの。頭の中の声がとってもおそくなるの」
私「そうなんだ。頭の中の声?」
娘「うん。こうして、とかそういう声」
私「それがおそく感じるんだね」
娘「うん。それで、もうひとりのうーちーが、おそい!早くして!ってイライラするの。それで、疲れちゃうの」
私「そっか。もうひとりのうーちーが、おそいって怒ってるんだね」
娘「うん・・・・(うなだれる)」
私「じゃあ、こうしてみたら?頭の中の声がおそいなって感じる時、早くしてって言うんじゃなくて、“ゆっくりでいいんだよ”っていってみたら、どう?」
娘「うん。(顔が明るくなる)」
私「頭の中の声がおそいのは、おそくなりたいのかもしれないよ。そんなとき、早くしてって言われたら、どうかな?」
娘「やだ・・」
私「そうだよね。ママもそういうときは、“ゆっくりでいいんだよ〜”ってよく心の中で話しかけてるよ」
娘「そうしてみる!」
私「うん。きっとそんなときは、からだがとっても疲れてるときかもしれないから、早く寝るのが一番だね」
娘「うん!」
こんなやり取りでした。
“頭の中の声がおそい”
これを認識してるってすごいなあと、内心感じながら話を聴いていました。
瞑想が習慣になってきたり、自分自身の心身のあらゆる変化を「観察」できるようになってくると、心の揺れ動きと、その反応がありありと見えるようになってくるのですが、どうやら娘は既にそれを感覚として分かっているんだなと。。
ゆっくりでいい
心は、不調のときほどいろいろなことに反応し、動き続けます。
そして、私たちはその心の動きや反応と自分自身を同一化して、ああでもないこうでもない、こんなんじゃだめだ、とその心の動きに「抵抗」します。
この「抵抗」が実は、苦しみを深くする元なのです。
心が抵抗し、身体は緊張する。
呼吸は浅くなり、心拍数が上がり、身体が熱くなり、イライラしたり、過剰に悲しんだり・・・。
娘の言う、「もうひとりの自分」が、一生懸命、抵抗しているんですね。
やることはたくさんある。
こんなことしている場合じゃない。
もっと頑張らなきゃ。
なんでこんな風になるんだろう。
いろんな形で、抵抗します。
もしかしたら、日常の中だけでなく、ヨガの練習中や、瞑想の練習中にもそういうことがあるかもしれません。
そんなとき、「ゆっくりでいいんだよ」と、出来たら自分の身体で、具体的に抵抗や詰まりを感じている場所に手で直接触れ、心の中で話しかけます。
いろんな方法があると思うのですが、私自身はその言葉がとてもしっくり来ています。
「ゆっくりでいいんだよ」と身体と心に話しかけてみると、不思議とその「抵抗」は小さくなっていきます。
実際に身体の動きをゆっくりすることも、とても大切ですし、予定を減らす、食べる量を減らして休息と回復にエネルギーを使うことも大切です。
不調や不安はなくならないかもしれないけれど、少なくともそれに「抵抗」して、更に苦しみが増大していくことはなくなります。
ぜひ、試してみてください。
子育て中はつい、「早くしなさい!」という言葉を多用してしまいますが、
「ゆっくりでいいんだよ」という言葉を、ぜひ普段頑張っているお子さんにかけてあげてください。
そして、何よりも自分自身が実践することかなと思います。
普段頑張っている私に。愛を込めて。
あ、娘はその日早く寝て、夜中に目を覚ましましたが、翌日にはすっかり元気になりました😊