高機能と利便性の両立『ウルトラ・シリーズ』

ネクストコア・シリーズと対極を成し、利用者の快適さと介助者の負担減を追求した車いすが、NISSINのウルトラ・シリーズです。

ネクストコアのカスタマイズ性は前回ご紹介したとおりですが、ウルトラの特徴は、車いす自体の性能を上げることで、できるだけご利用者と介助者の負担をなくすこと。ここに尽きます。

まずは背張り調整不要のバックサポートです。バックサポートは臀部を包み込むように支え、腹部が圧迫されない快適姿勢をサポートします。シートの調整をしなくても、自然な姿勢でリラックスした乗車が実現できます。

また、スリム＆コンパクトで家屋や施設内でも使いやすくするため、移乗のしやすいフロントワイド形状とし、軽い力で制動できる介助ブレーキなど、多くのの快適機能を詰め込んでいます。

近年主流になりつつあるノーパンクタイヤも、独自の「エアリー」というハイポリマーを採用し、実際にエアタイヤに近い乗り心地を実現しています。

シリーズは多岐に亘り、標準型・多機能型・ティルト&リクライニング・フルリクライニング等、ご利用者の状態に合わせた幅広い選択が可能。オプションも充実しており、かゆいところに手が届くラインナップを誇ります。

しかし何と言っても、私が個人的に一番感心した点があるのです。

大抵の車いすは、スイングアウトや肘跳ね作動部分のスイッチが色付けされており、わかりやすくなっています。この機種もご多分に漏れず、そういった可動部分に色付けがされているのですが、その色が褪せた黄色なのです。

「なんでもっと見やすい色にしないんだろう」と思ってメーカーに問い合わせたところ、はっきりした色だと色覚障害の人が逆に見えづらいので、敢えてこの色を選んだとのこと。

目指すはご利用者と介助者が、高機能なものをいかにして使いやすいものにしていくか。永遠のテーマを追い求め続ける、ウルトラ・シリーズなのでした。

文責　佐野　亘