失敗できる喜び
一年、一回の稲作。
10年経験してきて、「今年は思う通りに進んだ!」と思えた年は2018年の一回だけ。
失敗→勉強→失敗→勉強…毎年何かしら不具合が生じ、いもち病、ウンカ、水不足、獣害、生育不良、そして集落の水管理で口論になったり。
思い通りに行くことが正解ではなく、思い通りに行かないことが失敗でもない。
それでも、どうにも出来ない病気や獣害に見舞われたときの落胆は計り知れません。
失敗という言葉を連想してしまうのも、全ては美味しいお米を皆さんに届けたいという
思いがあるから。
無農薬で栽培する上で、病虫害は切り離せない問題であり
そことどう向き合うかが一生かけて勉強することだと思います。
今年も急性いもち病に罹患し、全圃場の4割が感染しました。
「またいもちか〜」と落胆しても、いもちが治ればいいですよねw
ここで落胆せず、「なぜいもち病が多発したのか」
冷静に分析して来年につなげる必要があります。
苗?水?土?
どこにどんな問題があり、そこにコリが生じ、毎年同じタイミングで誘発してるのか。
僕らの場合、大元の原因は二つある。
来年はこの二つのコリを揉み解し、少しでも今年の”失敗”が軽減できるよう
収穫後の準備に余念がありません。
一年に一回のお米づくりは沢山の気づきに溢れています。
現場は失敗の数だけ経験や知識に変わり、気候条件や地域条件(水や獣害等)にも敏感になります。上手に事が回らない時の立ち振る舞い、思考の切り替えはお米づくりの失敗からたくさん学びました。
僕らは江田集落の風景を守り受け継ぐためにも、美味しいお米や棚田での活動を通じて
まだ見ぬ多くの方に思いを届けている最中です。
上手く回らなかったことを次年度に、知識も経験もしっかりと田畑に還元できるように
「失敗」を「しっぱい」で終わらせず、未来に無農薬栽培の技術を継承できるよう
僕らだけの経験にとどめないよう心がけたいものです。